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ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王 【ふぁいあーえむぶれむ えこーず もうひとりのえいゆうおう】 ジャンル シミュレーションRPG 対応機種 ニンテンドー3DS 発売元 任天堂 開発元 インテリジェントシステムズ 発売日 2017年4月20日 定価 4,980円(税別) プレイ人数 1人 セーブデータ 3個 レーティング CERO B(12歳以上対象) 判定 良作 ポイント 『外伝』を徹底的にリメイク原作らしさを残しつつ、遊び易く調整されたキャラクターの設定改変は賛否両論ユニット同士の格差は健在 ファイアーエムブレムシリーズ 概要 システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 シミュレーションRPGの老舗である『ファイアーエムブレムシリーズ』の第15弾(*1)。 完全新作ではなく、第二弾である『外伝』のリメイクである。 第一弾の『暗黒竜と光の剣』および第三弾の『紋章の謎』は人気が高く、DSでもリメイクされた為に2017年現在でも気軽に触れる事が出来ていた。 それに対し『外伝』は異端なシステムの数々もあって、シリーズの中でも影が薄い存在だった。 しかしながらワールドマップやダブル主人公に加え、無限に育成できる要素など、後のシリーズに残した影響も大きいため、リメイクが渇望されていた作品でもある。 本作は『外伝』の独自のシステムを踏襲しつつ現代風にリメイクしたものである。 システム UIなどは『覚醒』を踏襲したものとなるが、基本となるルールは『外伝』のシステムを踏襲している。 オリジナルを踏襲した要素 近年のリメイクに存在していた『3すくみ(剣>斧>槍>剣)』の要素は無し。斧は敵専用装備となっている。 魔法も原作と同様にHPを消費して使用する形となっている。また地形効果を無視し、技による命中率の上昇補正がない。 装備は「武器・アイテム関係なく一人一種類」のみ。また武器の使用回数も存在せず、弓は一部の長射程のものを除き接近していても攻撃可能。 アルム軍、セリカ軍間のアイテムの受け渡しは原作同様に旅の商人に依頼して渡す形となる。一度依頼した商人は復活しないのでよく考えて使う事(*2)。 クラスチェンジは一定のレベルまで到達した後に、「ミラのしもべ」に祈りをささげる事で行える。 クラスチェンジ後の能力は原作と同様、クラスの基本値を下回っていれば補正される形となっている。なので極端に速さが低い村人キャラを傭兵にして底上げするなど、低レベルのクラスチェンジにも意味がある。 攻速が1でも上回れば再攻撃 可能。そのため原作と同様に再攻撃が起こりやすい。 理不尽な魔女ワープ、HPを強制的に1にするメデューサ、味方全体に大ダメージを与えてくるメガクェイクも健在。 とはいえ、魔女ワープは味方の一番端から現れて攻撃するというAIである為、原作ほどの理不尽感はなく、布陣次第で容易に対処可能となっている。UIの進化でイリュージョンが使いやすくなった(*3)ので囮を立てることも可能。 メガクェイクも発動直前のプレイヤーフェイズでエフェクトが発生するため、対策が取りやすくなっている。 修正が予想されたバランスブレイカー要素「村人ループ(*4)」は仕様として残された。 オリジナルから緩和、変更された要素 黒魔法は「防御側の魔法回避率を攻撃側の技と運で相殺する」という仕様になった。 これによりセリカ編の難易度が緩和された。 また、魔法自体の性能もほとんどが微修正されている。 「リザイア」は命中率が50%から60%に上昇し、必殺が出るようになった。 オリジナルでは極めて扱いにくかった「アロー」は射程3に延長、支援や賢者のスキルによる命中補強も相まって大幅に使いやすくなっている。 逆に弱体化された魔法もあるが、前述の通りに敵の回避率が影響しないので使い易さは向上している。 具体的には「エンジェル」や「エクスカリバー」は攻撃力や命中率が少し減っており、「ライナロック」は攻撃力が低下してマイルド化されている。 上記の通りに味方側が優位に立てるように魔法回避率の仕様が変わったためか、敵の魔法も「スライム」と「デス」が射程3に延長、高レベルの魔女が「サンダー」を持つ等一部強化されている。 白魔法は『紋章の謎』以降と同様、使用時に経験値が入るようになった。 上記のリザイア上方修正と合わせてシスターを育てやすくなっている。 魔法の種類が複数追加されている(レスキュー、アゲインなど)。 また、ワープやリブローといった長射程の白魔法の範囲が魔力(力)に応じて変動するようになった。 「ディル」は範囲が狭まったことに加え、命中率の低下、「上級魔物」の特性を持つ魔物には効かない等大幅に弱体化した。 戦闘終了時にボーナス経験値が得られるのは原作と同じだが、活躍に応じた経験値が得られるようになり、獲得後の経験値量が一覧で表示される為、わかりやすくなった。 ステータス名の整理 「こうげきりょく」「ちから」「まりょく」の3種類に分けて表示されていた攻撃力は「攻撃の強さ」に統一。原作の時点で表記がバラバラなだけで、元から一つのステータスである。 運や魔防が久々に「運の良さ」「魔法防御」表記となる。一方ですばやさは「速さ」、しゅびりょくは「守備」と近年と同じ。 見栄えの関係からステータス画面ではATK等の3文字の英字で表記される。 成長率が見直され(*5)、極端に使い辛いキャラは減った。また、極めて低確率だが、キャラによっては成長によって魔防が上がる事もある。 とはいえ、近年の作品に比べると低めであり、原作の成長傾向を引き継いでいる事も多い(*6)。特にループ可能な村人や傭兵(*7)はレベルが上がっても1~2個しかパラメーターが伸びない事がよくある。 さらにはデフォルトで村人ループが出来るキャラは魔防の成長率が0で固定されているので、村人ループを行っても敵の魔法の脅威はそのままである(*8)。 原作と違い、クラス毎にも成長率の補正(クラス成長率)がかかるが、近年の作品のクラス成長率と比べるとプラス補正は一部を除いて基本5%と微調整なものに、DEFでは一部のクラスを除いて全体的にマイナス補正(*9)が掛かり成長率の補正がかなりマイルドにされている。 スキルの実装。とはいえ元々外伝のクラスに存在していた特殊能力(*10)を明示化したものがほとんど。 一部バランス調整も行われているが、原作のイメージを大きく損なうものではない。 ファルコンナイトは原作の魔物特効が強すぎた為、魔物に対し力+10で攻撃する「退魔」の効果に丸められた。また、魔戦士の魔防の上昇値は「+15」から「+5」と減少した代わりに魔法のダメージを半減する「破邪」が追加されているので相変わらず魔法には強い。 賢者に追加された「練磨」は魔法命中+10と地形補正を受けなくなった本作ではなかなか強力な効果で、剣を使える神官と差別化が図られている。また、聖女には前述した隣接ユニットの自動回復の他に、ダメージ地形を遮断する「浄化」も追加。地味ながら有用なこれらのスキルは全体的に好意的に受け止められている。 独自だった弓の射程システムが変わり「基本装備の弓」が射程1~2(旧作は1~3、ボウナイトは1~5)、アイテムとしての弓は射程1~3(旧作は1~5)に減らされ、代わりに弓兵は「射程+1(アーチャー)」、「射程+2(スナイパー・ボウナイト)」のスキルを持つようにされた(*11)。 従来の「輸送隊」システムに相当する「道具袋」システムが追加され、戦闘中でも主人公と隣接すれば預けたアイテムの交換が可能になった。 出撃していないユニットの装備アイテムも交換できる。 戦闘中のアイテムの交換時に行動終了しなくなった。同一ターンで1つのアイテムを複数のユニットで使いまわす事も可能。 天使の指輪(*12)、速さの指輪(*13)などのバランスブレイカーとなっていたアイテムは、いずれも効果が抑えられている。 旧作では敵からのアイテムドロップ数に制限があったが撤廃された、また装備品の入手方法も多くなっている。 女魔道士のクラスチェンジ条件がLV20からLV14以上へと緩和された。 戦闘開始前にユニット出撃の選択が可能になった。 旧作ではダンジョンを除いて全ユニットが強制出撃だった為、魔女対策に予め魔防が低いユニットを出さない、といった事も可能。 ただし遭遇戦で敵から攻め込まれた場合は強制出撃になる。 リメイクではお馴染みとなったHPが0になってもキャラクターが死亡しない「カジュアルモード」も搭載している。 一方で『if』にあった「フェニックスモード」は存在しない。 アルム編で加入させなかった仲間をセリカ軍に加える事や、キャラを死亡させて生き返らせる事でもう一方の軍に移籍させるといったテクニックは使えなくなっている。 ただし、一部のキャラはセリカ軍に加える事が可能。また、仲間にならないが専用の会話イベントは存在するといった隠し要素がある。 旧作ではランダムに出現していた「たいきゃく」コマンドは3ターン目から使用できる「撤退」となった。どんな絶望的な状況からも無傷で撤退できるという強力なコマンドなので、勝ち目のない戦いでも3ターンまで耐える事で活路が開けるようになった。 オリジナルから追加された要素 アルム、セリカ軍にそれぞれ新規キャラが登場、いずれも既存の仲間と被らない兵種であり、戦略の幅を高めてくれる。 女性の『村人』である「エフィ」は素の成長率は40%前後とバランス型でありどの兵種にクラスチェンジさせるかを選ぶ楽しさがある。 シスターにすれば「リブロ―」や「レスキュー」など序盤から遠距離回復・支援要員で活躍することができ、最終的にはエンジェルも覚えて攻撃役にもなれる。魔道士だと早くから「エンジェル」を覚える他、終盤は魔法と直接攻撃を両立させられる。ペガサスナイトは弓特効を受ける機会が減ったため単純に地形無視の展開力が強力。ソシアルナイトはPナイトより機動力は劣るが、他のクラスに比べCC回数が多いため育成後の能力値は圧倒的に有利。どのクラスにも選ぶ価値がある。 支援効果の追加。支援会話は『新・暗黒竜』と同様に各キャラにつき1~2キャラと少な目だが、会話がないキャラ同士でも支援が発生している事があり、誰と支援が発生しているかは攻撃時に確認する事が可能。 武器の錬成要素の追加。これに伴い錬成料金として「銀貨」と「金貨」が追加された。 手持ちの武器を一定のお金と引き換えに性能を上昇させたり、別の武器へと進化させる事が可能に。進化させないと手に入らない武器も多数追加されている。 疲労システムの追加。ダンジョン内で戦闘を続けていると「疲労」が溜まって、戦闘終了後に「疲労状態」になる事がある。 同じような名前のシステムが『トラキア776』にも採用されていたが、あちらとは異なり、出撃は出来るが最大HPが半分程度(キャラによって比率は異なる)になるというもの。 フィールドのエンカウントならば問題はないが、ダンジョン内でエンカウントを続けていると疲労がたまってロストしやすくなる為、稼ぐには一定の工夫が必要となった。 傷薬などの概念はなく、ダンジョンや町などに落ちている「食品」を使う事で疲労度が回復し、戦闘中であれば同時にHPも回復できる。食品を食べる以外には、ミラのしもべにアイテムを捧げるか、ワールドマップに戻る事でしか疲労を回復する手段はない。 また、キャラごとに好き嫌いが存在し、好きな食材であればグレードが低くとも疲労の回復値が大きいが、嫌いな食品の場合は逆となる。アイテムを使用した際のボイスで判別可能。 嫌いな食べ物でもわずかに疲労が回復する為、無意味ではない。実際のステータス変動が起きるかどうかは疲労状態にあるか否かで判定される為、何か食べてギリギリ疲労ではない状態に持っていければ一戦闘だけならフルで戦う事が出来る。 ダンジョンは原作とは違い、3Dグラフィックで表現されていて自由に動き回れる。この際に攻撃を繰り出す事が可能で、ツボや箱を壊したり、敵シンボルに攻撃を当てると少しダメージを与えた状態で戦闘に入れる。逆に、敵に背後から接触されると敵フェイズから戦闘が開始する。 シンボルエンカウントとなったため、敵キャラの種類は概ね予想が可能。また、複数の敵シンボルが近くにいる状態で戦闘に入ると、戦闘開始時に増援として登場してくる。 ダンジョンではキャラ毎に撤退させる事が出来るようになった。ダンジョンを出るまでそのキャラを使用できなくなるが、足手まといのキャラや修行の際に不要になるキャラを撤退させる事など使い道は様々。また、アルム(セリカ)を撤退させると一気にダンジョンから脱出できるので道中がかなり楽になる。(*14) 戦技の追加。武器、防具を一定回数使う事で練度が溜まると覚える事が出来、HPを消費する事で特殊な攻撃を行う事が出来る。 使用できる戦技は現在装備している武器や防具で習得できるものだけだが、一部の武器は戦技が共通しており、対応する別武器に変えてもすぐ使用できる(覚えなおす必要は無い)。 シナリオの進行に応じて「ミラの歯車」というアイテムが手に入り、これを使うと戦闘中にターンを好きなだけ巻き戻してやり直すことができる。 『タクティクスオウガ 運命の輪』の「C.H.A.R.I.O.T.」に近いアンドゥ機能だが、使用回数に制限がある。戦闘終了、またはダンジョンを出ると消費した回数は回復し、アイテム入手によって最大12回まで使用回数は増える。 この機能を使うことが、アチーブメント要素である勲章の取得条件の一つにもなっている。 これにより不慮の事故死や「魔女の突然ワープ+魔法ぶっぱなし」といった初見殺しで倒されてもやり直しやすくなった。ただしアルムorセリカがやられてしまった場合は、カジュアルモードであっても即ゲームオーバーとなるので、注意が必要。 また代わりに『覚醒』『if』のカジュアルモードにあったフリーセーブ(戦闘中セーブ)の機能は無くなっている。 やり直す事によってレベルアップ時の能力上昇値の吟味も可能で、「育ちが悪かったから巻き戻して高成長を引き当てるまで繰り返す」という用途にも使用できる。ただし上昇値の更新はマップやダンジョン突入時に行われるため、実際にやろうとすると(ダンジョンであれば)その都度入り直す必要があるので手間がかかる。 + クリア後の要素につきネタバレ クリア後には第6章としてアルム、セリカ軍が合流した状態でゲームが再開。『聖魔の光石』のようにエンドレスに戦うことが出来る。 追加マップ・ダンジョンも存在。特定のキャラと縁のあるあの大陸に向かう事に… 評価点 演出面、ストーリー面での大幅な強化。 原作のストーリーを踏襲しているが、テキストや設定は大幅に変更、ないし肉付けされており大幅にボリュームが増した。 アルムとセリカの幼年期の描写が序章として追加された。このため、原作ではやや唐突だった展開も自然と受け入れられる形になった。 また、ところどころに落ちている「記憶の欠片」というアイテムを集める事で道中は語られないストーリーを見る事が出来る。 キャラクターの大幅な肉付けが行われ、原作とはほぼ完全に別物と言えるほどの刷新がされつつも多くが違和感なく作られている。 原作では仲間になる時にしか台詞がないキャラクターが大半だったが、本作ではアルム編のクレーベやセリカ編のセーバーなど、物語の牽引役として出番が大いに増加したキャラクターもおり、仲間になった後もイベントに絡むなどで大きな存在感がある。 この変更により、一部のキャラはクラシックモードでもHP0時は死亡ではなく負傷撤退するという形になった。(*15) 序盤のアルム編のグレイ・ロビン・クリフからしてほぼ別人と言える変更だが、原作経験者の多くがすんなり受け入れられるほど雰囲気に合った造詣。セリカ編の初期メンバーも同様で、原作では頼りないボーイ・しっかり者の印象のジェニーが逆の性格付けに変更されながらも好意的に評価されている。 原作とあまり違いがないのは前述した牽引役のセーバーとクレーベの他はメイやリュート、年配のキャラクターぐらい。また、違いがないとは言っても大幅な肉付けはされており、全てのキャラクターが村の中や支援会話などで語られる背景や内面描写で個性が大きく増している。 キャラには声優による声が追加。今までのシリーズでは「ムービーだけフルボイスで普段の台詞は一言だけうなづく」といったパートボイスである事が多かったが、本作ではすべての台詞にボイスがあてられている。 担当声優はアルム役の花江夏樹氏やセリカ役の東山奈央氏といった若手から、FEではすっかりお馴染みとなったセーバー役の子安武人氏(*16)、クレーベ役の神谷浩史氏、ルドルフ役の菅生隆之氏といったベテランまで幅広く、熱演でストーリーを盛り上げてくれる。 シナリオ上の会話から、支援会話、散り際の台詞も当然フルボイスであり、行動に応じて近くのキャラが合の手を入れてくれる(回復した方がいい、よくやった!等)、レベルアップ時に上昇したパラメータに応じたコメントを喋る(1つしか上がらないと…)等々、本作のキャラは非常によく喋る。 これに関連した余談だが、2014年にデビューした脇役で有名な男性声優の佐々木拓真氏が名前付きのキャラクターを演じるのはこのゲームが初となる。 ダッハ、マーラ、へステなどの敵将や、村で会話できるモブキャラの台詞もボイスがついているが、クエストを依頼をしてくるキャラなど一部声がない人物もいる為、完全フルボイスではない。しかしボイスとしては十分な量であるといえる。ただし、スタッフロールには公開されていない。おそらくこれらは開発スタッフがそのキャラクターの声を当てた模様。 アカネイアのキャラは『幻影異聞録♯FE』や『ファイアーエムブレム ヒーローズ』を踏襲している(*17)。また、カミジークもヒーローズないし、過去にドラマCDで出演していた井上和彦氏(*18)であるといった納得のチョイス。 先に紹介された面々のほか、敵の新キャラであるベルクトは、鈴木達央氏の熱演により多大な人気を誇っている。 原作に存在したナレーションも、外伝のCMでナレーションを務めた銀河万丈氏によるボイスで表現されており、初めて入るダンジョンではアルムないしセリカによる独白(これも原作に存在したナレーションに近いセリフ)で雰囲気を盛り上げてくれる。 アニメーションの追加 シナリオの要所ではアニメーションが入るがクオリティは高い。原作を知っていても予想のつかない場面が多いので、旧作プレイヤーでもワクワクしながら見る事が出来る。 戦闘画面とUI UIは覚醒以降のものである為、「ワンボタンで全敵の行動&攻撃範囲を表示」「敵ターンを完全にスキップ」など、便利になった機能は一通り揃っており、非常に快適。 演出も「オン」「オフ」「自ターン」といった形で細かく設定できる他、演出オフの状態でも交戦直前に特定ボタンを押していると一時的に通常通りの演出に戻す事もできる。スキップも途中から可能であり、押すタイミングによってその戦闘だけスキップ、演出だけスキップといった風に使い分ける事ができ、配慮が行き届いている。 交戦する場所によって戦闘の3D背景も細かく変わり、段差や地形などの描写など随所にこだわった作り込みが見られる。 オリジナルを尊重した部分の多さ 『新・暗黒竜』ではオリジナルのデータを流用しつつも無理に3すくみなどの要素を入れた為に歪なバランスとなってしまい不評だった(*19)。『新・紋章の謎』はその追加実装された要素に合わせ、全体的にバランスを大幅改修したのに対し、 本作はあえてオリジナルに近いシステムを使い、適度なバランス調整と過剰にならない程度の追加要素を加えることで、原作プレイヤーの不興を買う事を抑えつつ、『覚醒』以降の快適なUIでプレイする事が出来るようになっている。 マイユニットやキャラの結婚といった要素も検討されたようだが、最終的にボツとなっている。原作や本作のデザインを見る限り、どちらも雰囲気を崩しかねないので、見送って正解だったと思われる。 オリジナルで印象的だった演出も継承しており、ラスボスの倒し方およびとどめを刺す際の演出や、とあるボスキャラがアルムに攻撃を仕掛けてこないといった点もしっかり再現している。 ジュダの倒し方のみ、変更が加えられているが、これは倒し方を知っている旧作プレイヤーに対するひっかけ、ないし歯ごたえを加える為のものとも考えられる。 村人のクラスチェンジの改善 旧作ではクラスチェンジ候補がランダムで、目当てのクラスの選択が出るまで何度もキャンセルする必要があったが、本作では任意のクラスを選べるようになった。また、その際に底上げされるパラメータも同時に表示されるようになったため、より選択しやすくなっている。 同じく旧作では一切ノーヒントなため初心者が不向きな職業につけてしまう可能性が大いにあったが、今作ではラムの村で「グレイが剣」、「クリフが魔法」、「ロビンが弓」の練習を各自していたというような推奨兵種のヒントがある(*20)。 左氏によるキャラクターデザイン 『アトリエシリーズ』で知られる左氏がキャラクターデザインを担当しているが、キャラの特徴がよく表現されており好評。 オリジナルを踏襲しつつ現代風にうまくリファインされたキャラもいれば、まったくオリジナルと違う外見になったものもいる(*21)。 バルボのような渋いキャラからデューテのようにかわいらしい子供までレンジが広く、基本的にどのキャラクターも好評である。アカネイアのペガサス三姉妹やカ…ジークといったファンの多いキャラクターもイメージを崩さず、非常に丁寧に描かれている。 敵将のグラフィックに関しても、ギースやブライ等、オリジナルを忠実にリファインしたものも見られるほか、使いまわし顔ばかりだった敵ボスも一部を除いて固有のグラフィックになった。また、そもそも顔が存在しなかったサイゾー等の敵ボスもイメージに沿うグラフィックが用意された。 ラスボスも原作では「緑色のどろどろした赤い一つ目の何か」としか言いようのない謎の形状であったが、今作では何なのか理解できる形状になったほか、原作のパッケージに描かれていた「アルムたちを見下ろす謎の鎧武者」の正体が彼の仮の姿だった(本編中に像が登場)ことが判明する。 ストーリー面の大幅な強化 ミラとドーマの存在、なぜファルシオンがバレンシアにもあったのかなど、オリジナルで曖昧になっていたり、謎になっていた部分が丁寧に補完されている。 実質的な最終章では展開に大胆なアレンジが施されており、これについては無論否定的な意見(*22)はあるものの、ただ倒すだけの対象でしかなかった(*23)ラスボスに敬意や救済をきちんと練り込む等概ね評価が高い。 同時に『暗黒竜』『紋章の謎』で語られた伏線が生かされていたり、遠い未来であり、モチーフとした舞台が登場する『覚醒』に繋がる伏線もはられている。もちろん知らなくとも問題はないが、シリーズファンであるならばニヤリとできる場面もある。 終章でセーブ可能 終章におけるドーマ神殿以降でもデータのセーブが可能になったため、原作よりも遊びやすくなった。 BGM 基本的に原作のアレンジ曲+新規要素に関する追加BGMといった構成だが、原作のメロディをきちんと踏襲した上で本作の世界観を崩す事のない絶妙な塩梅のアレンジであり、全体的に良好な評価が多い。原曲からして印象的なイントロをさらに勇猛かつ重厚にした味方フェイズ戦闘曲「恐れを知らぬ白刃の」、離れ離れになった仲間との再会や最終決戦前、仲間たちの決意と共に奏でられる「出逢い」など。 章ごとに全体マップ・戦闘マップ・交戦時のBGMが変化するが、特に4章以降のアレンジ曲と追加新規曲が人気高い。全体マップの「在りし日の唄」、元々は敵が残り1ユニットの時に流れていたBGMをそれぞれ戦闘マップBGMに大胆にアレンジした「往く地の果てには」「贄と聖女」、新規追加された敵軍のテーマ「高慢と驕りと」「亡国の王者」など。 クライマックスのマップでは物語の改変もあって専用の「戦備 邂逅」からの「神よ、その黄昏よ」に続く一連の演出も秀逸。 育成面 無料で配信されるコンテンツで得られる「村人のフォーク」が好評。 「アルム」と「セリカ」以外のキャラを、「村人」にクラスチェンジできるという効果。男キャラならば誰でも村人ループが可能となり、最上級職から加わるキャラでも1から育てる事が出来る為、非常に使い出のあるアイテムである。 ただし、一つのデータにつき得られる数は3個だけなので誰に使うか大いに頭を悩ませてくれる。 レベルアップ回数が少ない魔道士、シスター、ペガサス系のキャラでもレベルアップ回数を補える為、パラメータの補強が可能。また、シスターを村人にすれば剣で戦うし、騎馬系を魔道士にすれば魔法を放つ。バルボがどりゃあ!と叫びながら魔法を放つ事も、魔戦士としてハッスルするノーマを作ることも可。これらの戦闘モーションを見る事を目的にするのも楽しい。 『暗黒竜と光の剣』経験者ならカミュジークを村人に貶めてしまう楽しさは口にするまでもない。こういったネタ的な遊び方にも使えるのも本作ならではである。 細かい要素やバグのような「抜け道」はほとんどが「仕様」として再現。 前述の魔戦士の村人ループはもちろんの事、『外伝』をやり込んでいないと通じないような細かい要素もばっちり再現されている。 知る人ぞ知る隠し要素例 例えば1章の撤退ボス。「竜の盾」を持つ難敵であり、原作で無理矢理倒すと衝撃の事実が判明するのだが、今作でも撃破可能であり、なんと撃破イベントのためだけに フルボイス で専用会話が用意されている。 不具合?は仕様へ昇華 原作では2章でラムの村方面へ行くと、アルム軍へ加入するはずのキャラをセリカ軍へ迎え入れられる不具合らしきものが存在する。今作では全てのキャラが専用の台詞をフルボイスで話すようになり、更にその内二人だけだがセリカ軍へ加入してくれる。 ラスボスは何故か「リザイア」でもトドメを刺せる。原作のリザイアは必殺が出ない事や唯一のHP吸収魔法で特殊な扱いだったためと予想され、倒すとEDがバグってしまうのだが、今作ではトドメが刺せる「仕様」へ昇華された。 バグEDは無いので安心して欲しい。しかし今作では「暁」のアイクのようにアルムがとどめを刺す前提で戦闘前会話が入るためその会話のあと全く別のキャラがリザイアで倒すというシュールな状態になってしまう。 賛否両論点 キャラクター関連 こうしたゲームには付き物のバランスではあるが、本作では特にクレーベが槍玉に挙げられる。原作に比べて出番が増加し、描写が増えた分魅力や存在感も大きいキャラクターなのだが、ソフィア最強の騎士、猛将クレーベ等と称えられたり、DLCの前日譚シナリオで主人公をつとめるといった破格の扱いを受けている一方で、加入時の能力値は原作から据え置き、成長率も原作よりも底上げされているとは言え体力と力以外軒並み低めな為、使い辛さも据え置き。さらに魔防1はレオと並んでワースト2タイ(最下位は魔防0のバルボ)。ソフィア最強と謳われている割にソフィア騎士のスレイダーより弱く、作中の扱いと使いにくさのギャップに苦しむ事になる。 DLCで入手できる「星の宝珠」があればCC回数の多さも相まって強力に育つが、吟味を行う時点で他のキャラにもできる事である。 もっとも、こうした「シナリオの描写とユニットの性能が噛み合っていない」と言う点は今に始まった話ではなく、FEシリーズ恒例ではある。例えば同時代に別の大陸にいた「大陸一の弓使い」など。 もともと不平等であった「ディーン」と「ソニア」の二者択一も健在であるが、ソニアは「成長率が高い(*24)、専用イベント・覚える魔法が増加、ジェニーの唯一の支援会話相手」と強化されたのに対し、ディーンは「ループ後の賢者で覚える魔法が一つ増えた・同職のジェシーと支援会話が追加された(*25)(*26)」のみ。公式サイトのキャラ紹介に紹介されていないという不遇な扱い。 もっとも風貌は大幅にリメイクされ、オリジナルのモーションとボイスがついた事でカッコよさが増し、その報われなさから逆に愛される事も増えてはいる。性能もプレイヤーが村人枠をどう見るか次第であり、一概にどちらが強いとは言えない。この辺りも原作と同様である。 しかし、リメイクだからこそ両方仲間にできる方法があってほしかったという声も多い。 新規追加されたキャラクターの「エフィ」は、本作には女版弓兵クラスが無い(*27)事や、シスターの習得魔法が優秀な事、支援でなぜか回避が下がる事、あまりにキャラクターが濃すぎる事(*28)などが重なり様々な点で話題になった。折角の新キャラなのだから色々な意味でもう少しマイルドに…と引き気味な感想も多い(*29)。 本作発売前にファイアーエムブレムヒーローズに先行で登場しており、味方として使えるのはそちらが先になっている。そちらでは弓キャラである為、本作ではどうやっても弓が使えない事に違和感を感じる事がある。 本作で特定のクラスのイメージを持たせないようにヒーローズではあえて選択できないクラスが選ばれているとのこと(*30)。 一応アルムとの支援Aでは告白をし振られるもののアルムの気持ちがエフィではなくセリカに向いてる事(*31)を自覚し身を引くことを決意をしているのだが後日談では完全に吹っ切れたようにみえてアルムの事を忘れずに引き摺っている状態に(*32)。アルムとの支援Aでの身の引きの描写は良いのに何故こんな引き摺り的な後日談にしたのか、と疑問の声も多い。 そもそも本作は原作の時点でアルムとセリカの二人が結ばれる未来が確定しているというストーリーであり、結ばれたら原作を大きく否定することになってしまう。そんな状況のこの作品で 結ばれないことが確定している 彼女(*33)を出すこと自体がスタッフの悪趣味さを感じるという批判も少なくない。 一部設定の改変 前述の通りオリジナルでわずかな台詞しかなかった様々なキャラクターに大幅な肉付けがなされたが、一部には否定的意見もある。ただし元々原作ではごくわずかな台詞とファミコンらしい風貌しかなく、以下に記した例でも否定が多数を占めるという訳ではない事に注意。いずれも好みの問題である。 デューテは一人称「わたし」で兄を「兄さん」と呼んでおり、さほど幼く見えないキャラだったが、本作ではボクっ娘+あどけない少女に。 ティータは第4章中盤に関わるキャラクターで、原作では落ち着いた大人の女性を思わせる台詞と風貌を持っていたが、本作では間延びしたような喋り方と精神的に幼い性格付けになっている。 レオは元々一言の台詞しかないキャラクターだが、本作ではオカマ口調になってバルボに恋する乙女(♂)に。決して魅力のないキャラクターになっている訳ではないが、クセは強い。 ストーリーの脚色に伴い、進行上必然とはいえセリカのキャラクターに対しては批判もある(肉付けや個性に粗があるという意味ではない)。 一言で言えば独断の自己犠牲が過ぎる。他者の救済のために自身を顧みない行動が序盤からしばしば見受けられる他、その際は相談するといった行動を取らず、付き従ってきた身近な仲間の覚悟を軽視しているケースが目立つ。 代表的な例では(悲劇を幻視したとはいえ)アルムには戦いの回避を迫りながら自身は躊躇なく戦い危険に飛び込む、わざわざ罠に飛び込んで行くような行動など。終盤は敵側の言っている事にも確かに一理あり、ドーマの塔へ赴く理由などを掘り下げたとも言えるが、やはり仲間を蔑ろにしている印象は強い(*34)。原作に比べてアルムとセリカについての運命を強調し過ぎている感もある。 もっとも、出自故に狙われ続け、それ故に周囲の人々が殺され、多くの人が自分を巡る争いに巻き込まれる形となってしまったセリカからすればこのように他者を救う為に自己犠牲に走ってしまうことは無理も無い話である。終盤の行動についても大陸全土を左右する選択である為、簡単に相談できる話では無かったことも考慮する必要がある。 仲間へ秘密を隠してしまう所こそあるが、支援会話では仲間の悩みを聞いたり、捕えられた仲間の親族を救った時には喜びを見せたりと仲間を大切に思っていることは随所で描かれている。 ゲームクリア後のおまけ要素ではあるが、新しく『覚醒』に出てくるとある存在が本作にも隠しボスとして追加されたのだが、それにまつわる設定が過去作が舞台にされる割にあまり過去作の要素と関係性がなく、未解決でもあるため消化不良感が残るものとなっている。『覚醒』の物語を考慮すると結果的に後味も悪い。 ただしこれについては誤解が多く(*35)、解禁される称号を鑑みれば危機の回避に寄与したとも言えるし、ここでアルムらが行った事によって後年の悲劇もあの規模で済んだ、と擁護する事はできる。 成長率の変化 キャラクターの成長が抜本的に変更され、決まった成長パターンしかなかった事態は解決している。しかし、成長パラメータ数が概ね1~3個に収まっていた原作に比べ、本作は1つしか上がらない事もあれば5つも6つも上がる事があるなどランダム幅が異様に広がってしまった。 パラメーターの成長率は40%前後に集中しており、エムブレマーであればこれがうまく化ける事もあればヘタレる事も多い、魔の数値である事がおわかりいただけるだろう。 運が良ければ成長率の悪いキャラクターでも伸び代があると言えるが、逆に本来優秀なはずのキャラクターが異様に育ちの悪い結果になる事も少なくない。「誰でも強くなれる」「プレイごとに異なる成長を楽しめる」と取れば長所、「成長率がブレて難易度が一定しない」「好きなキャラがヘタレると使えない」と取れば短所になり得る。 バランス調整関連 前述した「天使の指輪」「速さの指輪」以外にも、回復系魔法の回復量の低減(*36)などの細かい点や、ファルコンナイトの仕様変更など、バランス調整上仕方ないとはいえ弱体化された要素に関しては残念に思う声もある。 原作ではファルコンナイトは魔物特効が強力で、天使の指輪でパラメーターも補完できていたが、いずれもマイルドに調整された上、最上級職が無い事も響いて物理職としてはイマイチな能力になってしまった。 特にペガサス三姉妹はTアタックの弱体化、成長率の仕様(*37)のあおりを受けて原作に比べてかなり弱くなっている。 「聖なる弓」は深い場所の祭壇に安置されているにもかかわらず威力・命中率が弱体化しており、錬成による強化の旨みも少ない事も手伝って原作の神秘性が失われてしまった。 自動戦闘 原作に存在した一斉自動行動は「号令」としてまとめられ、全力・遊撃・後退・集合の4つのパターンから選択する形式になった。 だが、いずれも戦場を俯瞰する合理的な判断はもちろん、短期的・長期的に見ても行動が常に偏っているために使える場面が極めて限られる。 反撃を受けないような間接攻撃や地形効果を優先する程度の判断はするが、その交戦の反撃でやられないならば無理矢理にでも攻撃を仕掛けたりする(そして敵のターンでそのまま撃破される)。打たれ弱いユニットをなんの躊躇もなく敵の射程圏内まで移動させてしまう事もしばしば。 魔法に関しては特に固定化した思考が目立っており、聖女系はどんな状況であろうと命中率の低い「リザイア」に固執して「エンジェル」を頑なに使わないし、同様に魔道士系も例えば「エクスカリバー」が必中かつ1発で倒せる状況であっても「ファイアー」の2回攻撃を優先する。そしてしばしば片方を外して反撃されたり倒し損ねたりする。 機動力のあるユニットが先に近くの敵を狙ったために取りこぼす…といったような戦略的な判断までは技術的に厳しいとしても、上記のような短期的な場面すらまともに動かず、敵中に無策で突っ込んだり囲まれたりする様はさすがに擁護できるものではない。 ただ、原作から改善していないだけで悪化したわけではない。また、育成を尽くして自軍が圧倒的に強い場合に限れば、疑似的な全戦闘スキップとして使う事はできる点は同じ。もちろんその場合は「全力」「遊撃」に違いがなくなるという問題が発生してしまうが。 アイテム関連 新たに追加された食料アイテムは練り込み不足が見られる。 キャラクターには食べ物に効果が変動する「好み」がある。それ自体は個性的なシステムではあるのだが、嫌い・普通・好物・大好物のように1キャラで4段階も分かれているため、全員の好みを把握するには食べ物を無駄に浪費しなければならない。カテゴリには「薬草のシロップ」のように単体かつ貴重品しか存在しない事があり、しかもそれのみ大好物というキャラまでいる。 変動するのも主に疲労回復量で、にもかかわらず乳製品カテゴリでは基本的に『小』しか回復しない(*38)。 何よりクリア後のダンジョン以外では基本的にミラ神像が存在し、そこでは食べ物を一品捧げるだけで全員の疲労が回復するため個人で使う意味も薄い。あえて活用しようと思わない限り重要なシステムではないと言えるが、かといって使わなければアイテム欄を圧迫するというかなり微妙な立ち位置になっている。 ボーイに「飲み水」、ロビンに「小麦粉」を与えると、「これ 食って いいのか!?」と大喜びしてしまい凄まじい違和感を生む。特に小麦粉はエフィやシルク、アトラスなども好物になってしまっており、ファンの間でもしばしばネタにされる。 「エール」(酒)は飲むコマンドが用意されているにもかかわらず飲む事が出来ない(常にグレーアウトされている)。 特にセーバーやカムイといった明らかに成人して酒が好きそうなキャラ(*39)でも飲めないので不自然に感じられる。 「パン(*40)」のような消耗型と思しき「飲みかけのエール」が存在する事や、「葡萄酒」といったバリエーションが豊富である事から、当初は酒類を飲める設定があったと推測できる。後に、『ニンドリ』でスタッフが語ったことによると「本来一部のキャラ専用の回復アイテムだったが飲酒描写規制でやめにした」とのこと。 武器の一つ、「デビルアクス」は性能と数値がしっかり表示されているのに誰も装備できない。 所持金関連 本作では原作と違い所持金のパラメータがあり、3章以降の町村に存在する「鍛冶屋」で装備の強化などに使用できる。 だが、銀貨と金貨の変換レートが目減りを通り越してとんでもなく暴利。金貨を得る時は「銀貨500:金貨1」だが、金貨を両替する時は「金貨1:銀貨100」。いくらなんでもぼったくり過ぎである。 このためいくら錬成で銀貨が必要になっても金貨から銀貨に変えるのは無駄が大きい。貴重な金貨を別の用途に使うべきでないという事なのかもしれないが、DLCがなくても増援やダンジョンである程度銀貨を稼ぐ事が可能なので、結局は1:1の両替レートで問題になる事はない。 所持金の使い道が武器の錬成しかなく、特に食料系アイテムが買えないのも疑問。前述した食べ物の好みを鑑みても、手に入りやすいものや低性能のものなら買えて良かったのではないだろうか。 問題点 外伝から改善されていないがための不満点もしばしば見られる。 「平坦または真ん中に橋がかかっただけの流用マップ」や「敵のHPが減ると脇目も振らずに回復床へ直行する」など当時の内容に近いまま最適化して『外伝』が持つ悪い点が調整されていない部分もしばしば見られ、原作をやり込んだユーザーであっても難色を示す声も多い。きちんと調整されている部分との落差が目立つ結果になっている。 特定の魔物が落とすドロップの確率も「あまりに出ない」と言われていた異常な低さのまま。 レベル育成以外にハックアンドスラッシュの恩恵がほとんどないシステムにもかかわらず、一部は数千匹狩ろうが一万匹狩ろうが手に入らない事が普通に有り得る(*41)。さすがに時代遅れと言わざるを得ない。「流星」「太陽」「月光」に関しては集める事で称号と名声が追加されており、むしろ外伝より悪化している。 クリア後のダンジョンでもごく低確率で拾える可能性があるのだが、ご丁寧に錬成するまで分からない「錆びた」状態にされ、しかも同じ名前で一般武器や「毒の剣」といったハズレ枠まで仕込むという徹底ぶり(*42)。さすがに嫌がらせと断じられるのも已む無しだろう。 原作でも問題になっていたクラスの格差も健在。今作でもバランス調整は行われているものの払しょくするに至っていない。 最終的に高機動力+高射程の「ボウナイト」か、高機動力+魔法に強い「魔戦士」が最強のツートップとなるのも変わらない。原作で不遇だったバロンも弓のダメージを半減するといったスキルは得たが、高い機動力に加え魔法を半減できる魔戦士ほど有用性は見出しにくい。(*43) 入手経験値量の補正も原作を踏襲しており、クラスごとの育成速度の差が是正されていない。特に神官(セリカ除く)やFナイトは突出して入手経験値量が少なく、後述のDLCを利用してもなお育成に手間がかかる(*44)という不利を背負っている。 原作と同じく、育成がプレイヤーの裁量なため難易度の上下が激しい。育成を行わずに漫然と進行させると理不尽な場面も増える。 魔女のワープも弱体化されたとはいえ弱キャラへ襲撃されれば死ぬ可能性は大いにある。対策はHPの育成か、さもなくば出撃拒否しかない。 ステージ終了後に仲間になる中立ユニットを死なせずに進むのにも運が絡む。自軍をきちんと育成しておかないと助けようにも助けられず、あっさり死んでしまう。確実に仲間にしたければ途中撤退(敵ユニットの削減)を余儀なくされる。 デューテに関しては「デューテが魔法を使えないHPまで減らす(回復しなければ4回オーラを撃って終了)」以外に有効な手立てが少なく、運ゲー要素が強い(*45)。新要素としてアルムがこの少し前に入手した王家の剣で「手加減(相手のHPを1残す)」というまさにこれのためのような戦技を覚えるし、拘束系魔法やワープでタタラ即殺等やり方は色々あるが、大抵はそこまで強くしてしまうと他のマップがヌルゲー化してしまう。 多くの敵ユニットが一斉突撃するAIなため戦略性も低め。接敵後は単純な物量のぶつけ合いに終始するマップが多く、育成が足りないと援軍出現でも途中撤退を迫られる。 戦技のバランスが今ひとつ 戦技はHPを消耗するわりに、基本的に再攻撃できなくなる。よって「曲射」のように命中率関連はともかく、威力増強系は元から再攻撃が可能な敵に対しては相手の守備が極端に高くない限り、威力が多少上がっても結果的に通常よりダメージが下がることも多い(*46)。逆に「獅子連斬」「フランベルジュ」等の二回攻撃が出来る物が強すぎる(*47)等、歪な印象を受ける。 中でもキラーボウの戦技「ハンターボレー」は凶悪な戦技として名高い(*48)。前述のボウナイトと合わせて弓無双に拍車がかかっている。 逆にシリーズの中では久しぶりに採用された「トライアングルアタック」はあまりに低性能。戦技扱いではあるが、三人で囲う必要があり、10HPも使用するわりに「威力+8、命中+30、必殺+40、強制一回攻撃」という、それまでのシリーズでは考えられないほど弱い(*49)。初の声付き演出でありアニメーションも良いだけに実にもったいない(*50)。 ただし聖戦の系譜などにあった「スキル」の攻撃技と違い、戦技発動はこっちの任意のためどんなに使い勝手が悪くても「発動しないで欲しい時に勝手に発動させて不利になる」というようなことはない。 DLCはバランスが不安定で地雷化しているものがある。 + DLC詳細 「死者は眠らない」 経験値を多く持つマミーと繰り返し戦える狭いマップ配信だが、逃げるマミーの移動力が高く序盤のユニットでは捕まえられない、その割にHPが非常に高いため倒し損ねやすい、反撃時の攻撃力が高くクリティカルも平然と出してくる、といった三重苦が揃ったマップとなっている。序盤に加入したばかりのキャラクターではまともに戦う事すらままならない。 育成の効率もおおよそ下級職レベル10前後までが限界で、それ以降は急激に低下。上級職でもクラスチェンジ直後の立ち上げ以外では効率が低下する。 よって、過去に有料DLCでも稼げないと悪評を受ける事が多かった『覚醒』の「マミーの楽園」マップと同じか、より悪化した使い辛いマップとなってしまっている。あちらにあったキャラ毎の専用台詞といった要素もない。 一応、入り直すのが容易なのでどんなステータスのキャラでも吟味しやすくなる利点はある。本編攻略用の一線級に強化する事は難しくはない。 「憤怒の葬列」 こちらは余計なザコ敵が出現せず、敵も逃げない上に無限に湧く。元々大量の経験値を持っている上に、ターンを引き伸ばすほど強力で経験値が多くなり(最長10ターン)、上級職のレベルも容易にカンストが狙えるなど非常に効率よく稼げるDLCとなっている。 しかしこちらは敵が異常なまでに強く完全に最終盤~クリア後の用途。初期配置の最弱個体ですらリゲル指揮官クラスも真っ青な能力値(HP36、ATK27、SPD13、DEF15)を誇り、本編を余裕で攻略できるほど成長したキャラクターでないとまともに稼げない。このため『「死者は~」では物足りないが「憤怒の~」では歯が立たず稼ぎに使えない』状況が往々にして発生する。終盤以外で活用するには他のDLCで装備調達などで入念な準備が必須。 「悪漢とお宝と」 お金を稼げると触れ込みのDLCだが、「死者は眠らない」と同様敵がマップ外へ逃げていくので、急いで追いかけて倒さなければならない。しかもお金が使用できるのは3章以降であり序盤にお金を稼いでも使う場所がない。さらにお金は基本的に装備アイテムを強化する錬成のみ(*51)で、その素材となる装備アイテムは別途入手しなければならない。下記の「星の神殿」ならば素材となる装備や、それを売って換金できるためこちらを利用する価値は皆無。 効率的にはおおよそ銀貨100~150。このDLCは特に有料なのに旨みが薄いという地雷レベルの内容になっている。 第二弾で登場した「黄金の夢」はこれの上位版となっており、敵がかなり強いものの一回で銀貨1000以上かつ運が良ければ金貨も手に入る、とかなり優秀な効率となっている。ただ、下記「星の神殿」で錬成の素材となる装備アイテムを別途集めないと無駄に潤うだけで使い道がないのは同じ。(*52) 「星の神殿」「星の神殿~深き場所~」 「星の神殿」は第一弾DLCの3つ目で、『紋章の謎』にあった「星の欠片」が手に入る探索MAP付きのDLCである。星の欠片自体は成長率の補強アイテム程度に留まっているが、同時に食品アイテムや(レア含む)装備アイテムをいくらでも入手できるという点がとてつもなく強力で、バランスブレイカーなDLCとなっている。 本作はオリジナルと同じく入手できる装備アイテムが有限であり、そのほとんどは基本的にアルム軍・セリカ軍それぞれ一つずつしか手に入らない。当DLCはそれらをザクザク得られる上に、売却すればお金も稼げる。前述の「悪漢とお宝と」の上位互換と言っても過言ではない。 お金を錬成に回せばレアリティの低い鉄装備系ですらかなり強化される。大雑把に言えば、このDLCで物理戦闘系ユニットに強化装備を供給するだけで全員の力を+7~+8、命中も+20底上げできるという事。登場当時は難易度が下落してしまうため封印推奨とされたほど。 「星の神殿~深き場所~」は入手できるアイテムがさらに強化され、粘れば「流星」「太陽」といった超レアアイテムが第一章の時点で入手可能という上位互換のバランスブレイカー。敵も相当に強化されているが、慣れれば戦闘の回避は難しくない。現在はこちらを買えば「星の神殿」の意義は薄いと言える。 更に「星の神殿~深き場所~」では、全ての星の欠片と黒真珠を集める事で「星の宝珠(*53)」を何度でも作れる。 第三弾では最上級職のさらに上のオーバークラスが配信されたが、こちらも評判は今一つ。 主な要因は、導入するとロード時間が増える、キャラの専用モーションが無くなる、価格に見合っていないといったものの他に、一部の魔法を一時的に忘れるバグなどが含まれる。 オーバークラスになるほど(最上級職レベル20)の成長を遂げたキャラならば本編を余裕でクリア可能なので、攻略上の役に立つというよりは「更なるクラスチェンジの上積みでカンスト狙い」等の趣味のDLCと言えるのだが、趣味的な要素の割には演出も性能の強化もそれほど魅力的とは言えない。 また、オーバークラスの風貌はDLCとして分けられているだけあって相当に異質。巨大なスパルタンの盾(*54)、闇落ちしたとしか思えないマッハ・モルガーナ(*55)、まるでSFのようなエレファント等。CC後は村人のフォークを使わない限り戻せないので、後述するように似合っていないキャラをCCしてしまうとかなり後悔する。外観や挙動で違和感が少ないのは聖女からCCできるタイタニアぐらい(*56)。 前述したようにキャラ固有のモーションは消え、独自モーションとキャラクターの台詞がミスマッチになっているのも問題。一例を挙げると神官から派生するモルガーナの撃破モーションは冷徹な魔女を思わせる落ち着いたものに固定されるが、ソニアはともかくエフィ・メイ・デューテの純朴・快活なボイスとはまったく噛み合っておらず、相当な違和感を生んでしまっている。 こうした点で、趣味としても攻略用としても価格に見合っているとは言い難い。単価はともかく全クラス分購入(10種類)となればなおさらである。 同じく第三弾で販売された前日譚のシナリオをクリアすると本編にはない支援会話が解放されるが、つまりは支援会話が有料DLCである事になるため、難色を示すユーザーもいる。 ただし今回の支援会話はフルボイスなのでそれを踏まえてDLCに投入したとも考えられる。 第四弾ではサイファのキャラのゲスト出演という形で仲間キャラが報酬となる。専用武器の戦技はそれなりに強力だが、キャラの性能は並程度(*57)。支援会話も付属……と良くも悪くも普通でファン向けの内容のため、これ自体はあまりとやかく言われていない。 第三弾・第四弾のDLCは所謂アンロック形式ではなく、データ配信となる為、ダウンロードおよび、読み込みに待ち時間が発生してしまうという問題点もはらんでいる。 通信対戦が無くなったために配信形式に変えたと思われる。以前の形では改造や解析により早バレが行われていたので、その対策としてデータ配信形式にしてくれという要望も散見されたのだが、別の問題点が浮き彫りになってしまった。 支援関係 キャラのバックボーンに関わる要素であり、戦略的にも意味のある支援効果だが、効果自体の他、支援会話の数が少なかったり、支援が発揮しない組み合わせなど疑問もある。 特に本編でも非常によく絡み、互いを信頼し合っている描写があるセーバーとセリカの間に支援効果が一切ない点が槍玉にあがる。 グレイとロビンはクレアを取り合っている設定だが、クレアはグレイとしか支援会話がなく、ロビンの支援効果も会話なしの一方通行(片思い)である。確かに原作通りではあるのだが…。 支援効果は攻撃前情報で増減こそ表示されるが、数値は変化後のみであり増加量を知る事はできない。また、支援を受ける側と与えられる側の組み合わせによって得られる効果が相互でも異なるため単純に把握しづらい。 支援効果の有用性もかなり幅があり、命中率(*58)や必殺率の補強が非常に強力な反面、回避率や必殺回避は効果を実感しにくく、折角の支援なのにあえて使うほど意味を見出せないものも少なくない。もちろん後者も効果さえ大きければ十分活用もできただろうが、増加量はどれも微々たる値。 強力な例では命中を補強するロビン→グレイ・クリフ、回避は下がる(*59)が命中必殺を大幅に増加するアルム→エフィ等。逆にシスター系・女魔道士系のキャラが与えるものは慎ましい効果ばかり(*60)。 + クリア後の要素につきネタバレ クリアする事で第6章としてアルム、セリカ軍が合流した状態で開始できるが、アルム軍とセリカ軍の間の支援は幼馴染組(*61)、ジェシーとシルク、マイセンとノーマに会話なしの支援効果がある。 アルムとセリカに支援効果がある点は救いといえるが、支援会話はないのは惜しまれている。増加量は大きく強力であるし、クリア後のおまけであるため、そこまでと言えばそこまでなのだが… 難易度がノーマルとハードの2種類しかない 鍛えてしまえばハードでも難易度は高くないため、鍛えすぎると簡単に敵が死んでいき、物足りなく感じることも。前述にあるようにDLCにも鍛えたキャラを活かすステージが無いのは残念である。 同じリメイクの「新紋章」ではやり込み向けのルナティックモードがあったため、そういったものを期待していたプレイヤーたちからは不満の声が上がった。 しかし、アチーブメント要素である「勲章」の「電撃作戦」を得ようとするのならば最低限の稼ぎとターンでクリアする必要があり、やり込みプレイとして歓迎された。 一部の問題点や賛否両論点は、原作にもあったものをそのまま手直しをしない、或いは更に強化したとしか思えない物も多いが、下手に調整して原作との違和感を覚えさせるよりは、あえてそのままで外伝の魅力やバランスを引き立てる方向で調整したとも言えなくもない。 フルボイス化で若干妙な要素がある BGMなどとは別にボイスの音量をゲーム内で調節できるのはいいのだが、たとえ0にしても普通にしゃべるムービーなどがある(*62)、ムービーには字幕を付ける事ができるので完全無音にしてもストーリー理解に一切支障はないのだが。逆に字幕が表示されないボイスのうち、戦闘時の掛け声など無くてもプレイに支障ない物はいいのだが、今作で追加されたダンジョン内の疲労回復絡みで好きな食品(疲労回復が大きい)を当てる唯一のヒントである食後の感想が、ボイスオフにすると一切分からなくなる(*63)というのはやや不親切。 総評 『外伝』を丁寧にリメイクした一作。これぞ外伝といえる要素は残しつつも、バランス調整を行い、より万人向けの作品に仕上がっている。 旧作のリメイクである事を踏まえれば再現する所は再現し、パワーアップないし調整すべきところには手を加えたという、リメイクの本分をわきまえた作品であると言える。 しかし、もともと外伝は戦略面で凝った作品でないうえ、「新・紋章」のように原作から大きく革新はなされていない。戦技をはじめとした追加要素もバランスがいびつで、一部キャラクターの大きな設定改変など問題も残っている。 とはいえ、昔ながらのFEが好きなエムブレマーや、外伝が好きだったエムブレマーには納得が出来て楽しめる良リメイクとなっていると言えるだろう。 余談 前述した「オリジナルとは攻略法の異なる敵」についてだが、防御無視や射程に関係なく反撃するなどオリジナルを超える大幅な強化がなされている。 しかし、手下をけしかける以外に自分から攻撃を仕掛けて来ない上、所有スキルの名前がいかにもそれっぽいため、先にラスボスを倒すものと思って倒したらそのままエンディングになってしまったという原作経験者も少なくなかったようだ。これはこれで哀しい結末である。 コンビニエンスストアの「セブンイレブン」とコラボしており、期間限定で「セブンソード」といった専用の武器を受信する事が可能だった(現在は配信終了)。 だが、本作には原作から続投した敵将のローソンがいる為、微妙にネタにされてしまった。 原作ではタイトル画面であるコマンドを入力するとサウンドテストモードが出現するが、本作にもその裏技は踏襲されている。原作と同じコマンドをタイトル画面で入力すると…。 原作ではシーザスという敵将がいたが、彼のMAPの敵将はベルクトに変わったため彼の存在は抹消されてしまった。元々個性も何もないが、リメイクとしては本作で唯一の不遇キャラクターと言えるかも知れない。 ソフィア城のすぐ真上に位置する「北の門」は敵部隊が配置されておらず、シナリオ上では用いられないステージとなっている。 ステージ自体は、ここと対称の位置にある「南の門」を上下(南北)方向に反転させた形状。 マップ上の拠点から湧く増援を連れてくることで、このステージでの戦闘が可能。ただし、水門までクリアすると増援が湧かなくなるので二度と戦えなくなってしまう。 ゲームオーバーになると「ある哲学者の言葉」「ある名将の言葉」などのメッセージが画面上に表示されるが、これは実在した歴史上の人物による名言である。 原作をプレイした人なら疑問に思うだろうが、オリジナルのものとはタイトルが変更されている。 これははFE外伝が発売されていた当時はFEシリーズ自体が海外展開されていなかったことに起因し、そのまま従来のリメイクのように「新・外伝」のようなタイトルにしてしまうとそもそも何の外伝かわからない人が海外では多いため現在の「ECHOES」というタイトルになったそうである。 なお、海外でのサブタイトルは「Shadows of Valentia」、訳すと「バレンシアの闇」となっており、日本版のタイトルとも意味が異なっている。 ソーシャルゲーム『ファイアーエムブレムヒーローズ』でも発売前に一部のキャラクターが実装しているが、発売前の為、セリフの一部は流用。後から登場したキャラクターはちゃんと新録されている。 本作で初登場したエフィはクラスチェンジが不可能なアーチャーとして登場。弓使いの技能を貰った設定があり、武器偏りの配慮からと思われる。 2022年7月では最序盤の洞窟で登場するモブキャラ、盗賊頭が実装。主に海外では大きな票を獲得していた様子。 コイルショックとの噂も出ているが 。(*64) それから2023年10月にドーマの魔女であるマーラとヘステが実装した際にキャストがヌイババと同じ北西純子氏と表記していたことから本作も同じキャストの可能性が高い。 追加した戦技や台詞ボイスは次回のシリーズ作品『ファイアーエムブレム 風花雪月』でも継続した。 戦技に関しては仕様の変更やバランス調整が施され、改善している。
https://w.atwiki.jp/megatenfe/pages/16.html
※暫定作成 Q:興味がわいたので、遊んだ事の無いシリーズに手を出そうと思うのですが どの作品から遊べばいいですか? Q:発売済みのシリーズ作品の特徴を教えて下さい。 A:スレで出た書き込みが以下。参考に。 ファイアーエムブレム側: ○オーソドックス ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣[VC] 初代FE。ファミコン時代のゲームなのでUIの関係上さすがに今やるのはおすすめできない。 VC紋章の謎か新暗黒竜をどうぞ。 ファイアーエムブレム 紋章の謎[VC] 一番オーソドックスなFE。暗黒竜リメイク(一部)と続編(二部)のパック商品。 UIは若干不便だが(※wiki編者注、SFC版の真・女神転生Ⅰ程度のUI)、 そこが気にならないならおすすめ。30円になるし。 ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣[DS] GBAシリーズの要素やUIの便利さを取り入れた新暗黒竜リメイク。 ファンからの評判は良くないが面白さの基本は押さえているので、安価で手に入るならこれから入るのもありだと思う。 ファイアーエムブレム 新・紋章の謎[DS] 紋章の謎(二部のみ)のリメイク。リメイク前から追加会話が増え、若干ライト寄りになった。 前作をやっていない人向けのフォローは入るが、単体だと分かりにくい部分があるかもしれない。ゲームバランスは良。 ○フリーマップあり・育成寄り ファイアーエムブレム 覚醒[3DS] 育成特化。UIが良く、手軽にさくさく遊べる。 キャラ同士を結婚させて、子どもに能力を引き継がせるシステムが特徴だが、 キャラゲーとしての要素が強いところは賛否両論。 恋愛シミュやライトなノリが好きなら。 ファイアーエムブレム 外伝[VC] 他FEと全くシステムが違うFE。2人の主人公をフリーマップ上で同時に動かして進めていくところに独自の戦略性あり。 FCなのでUIは古い。 ○システムに癖あり ファイアーエムブレム 聖戦の系譜[VC] 二世代に渡る大河ドラマ。前半主人公の不幸っぷりに定評あり。 他FEの数マップを合体させたような広めのマップで、マクロな視点のシナリオが進むのが特徴。 キャラ同士を結婚させて子どもに能力を引き継がせることが出来るが、 割と誰でも強くなる覚醒と違ってこちらはかなりキャラ差が出る。 ファイアーエムブレム 暁の女神[Wii] 蒼炎の軌跡[GC]の続編のため、前作をやっていないと置いてけぼりになる部分も。 操作する陣営がころころ入れ替わるため育成要素は乏しいが、群像劇的な面白さがある。 ゲーム後半のバランスが不安定。 ○マニア向け ファイアーエムブレム トラキア776[VC] マニア向け。最高傑作と呼ぶ人も居るが、つまりマニア向け。 聖戦の系譜のスピンオフ作なのでそういう意味でも最初の一本には厳しいか。 敵を捕らえてアイテムを奪わないといけなかったり、 同じキャラが連戦すると疲労してユニット出撃不可になったりと、独自システムが多く考えることも多い。 (※wiki編者注。要するにシリーズ中、最も嫌らしい高難易度設定。 真Ⅲ並に理不尽に感じるシーンも多発する。そういうのが望む所なら) ○中古品の値段が高い GBA版FE共通事項 乱数の取得法が独特で、50%を境にして高確率は更に高確率に 低確率は更に低確率になるため、概して命中回避等が味方に有利に働き 難易度は優しめである。 ファイアーエムブレム 封印の剣[GBA] GBAというか携帯機初のFE。主人公ロイはスマブラ出演歴あり。 当時としては久方ぶりの発売となったFEでもあるためか。 暗黒竜や紋章をオマージュした要素もチラホラ見られる。 1周目の難易度は既存のシリーズより簡単とされるが、GBAのFEでは一番高い。 2周目以降にできるハードはそこそこの歯ごたえ。 ファイアーエムブレム 烈火の剣[GBA] 封印の親世代のお話。1周目の難易度はこちらの方が低いこともあり 今からなら封印より先にやってもいいかも。 またこれまでのFEと違って、戦争ではなく 歴史の裏で起こった私闘的な展開を描いている。 また、2周目以降に主人公を変えることができ その場合マップ構成がガラリと変わるため周回プレーで長く遊べる。 最速3周目から遊べる別主人公ハードはGBA屈指のやり応えある難易度。 ファイアーエムブレム 聖魔の光石[GBA/3DSアンバサダー特典] 3DS早期購入特典でも遊ぶ事ができる。 ファミコンのFE外伝を意識した作りになっており、ワールドマップを行き来して フリーバトルで育成が自由にできる。 そのため、それらを縛らなければGBAで最も難易度が低い。 難易度はイージー・ノーマル・ハードがあるが、イージーとノーマルは 操作解説が挟み込まれるかどうか以外に大差ない。 物語中盤に大きな分岐がある。 ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡[GC/Wiiでも遊べるが要コントローラー] 当時としては久方ぶりの据え置き機FE。 グラフィックが3Dになったが、戦場マップはしっかり2Dなので 操作感覚はそこまで変わらない。 しかし、GBAに比べると乱数取りは通常通りに戻っているし、 防御効果を得られる地形が少ない、命中回避が増減する バイオリズムシステムの導入等から、通常ユニットでの回避無双は難しい。 難易度はノーマル・ハード・マニアックの三段階。 イージーを作ると、ひねくれたユーザーさんが選んでくれないかららしいが、 蒼炎に限れば実質イージー・ノーマル・ハードみたいなものなので マゾゲー慣れしてるアトラスユーザーの人はハードからでも何とかなるかもしれない。 でも初回マニアックはやめとけ。 それよりも蒼炎の軌跡でもっとも高難易度なのは、その入手価格。 発売当初こそ、ゲームキューブというハードゆえか中古で投げ売りされていたが、 Wiiで発売された続編「暁の女神」でセーブデータの引き継ぎができるとなった途端、 中古価格は一転。万単位で取引される程に。 現在もBEST版等の発売がされておらず、今から購入する方は 相応の出費を覚悟されたし。 女神転生側: DS、3DS作品は基本的に批判少なめの名作揃い。 ■デビルサマナー ソウルハッカーズ[3DS] サターン・PS作品のリメイク(移植+α)。元々「入門にも良い」等と言われており雰囲気など比較的親しみやすい。 中身は正統派。人間2人悪魔4人の6人パーティで3Dダンジョン。 ■真・女神転生 STRANGE JOURNEY[DS] 「濃い」感じの女神転生。人間1人悪魔3体のパーティ。完成度は高いがそれゆえ人を選ぶかも。ヘルプ等は丁寧。 ■デビルサバイバー[DS] 人間1人悪魔2体で1ユニット×4ユニットのSRPG(「女神転生」とは完全に別ゲーム)。 「オークション」で買った悪魔を合体させて使役。様々な制約の上でやりくりするスキルの付け替えが楽しい。 キャラ絵はかなりライトだが、物語はシビアでとても面白い。 悪魔という未知の存在の出現に戸惑いつつ巻き込まれてく流れは世界観への入門にもよい。 ゲームバランスも良く、個人的にここ十年のベストゲーム。セーブ1箇所なのが難。 ■デビルサバイバー オーバークロック[3DS] DS版に追加要素入れた物。見た目などはほぼ同じで、DS版と良くも悪くも変わらない面白さ。3DS持ってるならこちらを。 ■デビルサバイバー2[DS] 1とほぼ同じシステムでゲームとしては上質。 物語がやや軽いノリになってしまったが、キャラは立っていて退屈はしない。 ○3DダンジョンRPG 3DダンジョンRPGの特徴として「迷いやすい」「移動が面倒」というものがある。 一応オートマッピング機能はあるが、サクサク進めたいなら攻略サイトのマップを見るとよい。 旧約・女神転生[VC] FCの初代女神転生と女神転生Ⅱを収録したリメイクソフト。 どちらも難易度は高い。UIもSFC基準なのである程度は遊びやすい。 真・女神転生[VC/ゲームアーカイブス/GBA] 真シリーズ一作目。メガテンのノリをよく把握したいならこれがオススメ。 UIが多少不便だが遊べなくはない。難易度は比較的簡単。 PSとGBAに移植版が出ており、PS版はアーカイブスで遊ぶことも可能。 GBA版は追加要素があるが現在は入手困難。 真・女神転生Ⅱ[VC/ゲームアーカイブス/GBA] ストーリーはすばらしい。 が、フリーズしたり防具の耐性が機能してなかったりとバグが多い。 あと、意図的な仕様で中盤がダレる。オススメはできない。 PSとGBAに移植版が出ており、PS版はアーカイブスで遊ぶことも可能。 GBA版は追加要素があるが現在は入手困難。 なおPS初期版は凄まじい程のバグの数があり、ゲーム進行困難なのはおろか メモリーカードを破壊するほどのバグまで見つかっている。。 後に修正版が出荷され、アーカイブスも修正版にはなっているが 一部の軽微なバグは残っている。 中古屋でPS版を買うのはリスクが高くお勧めしない。 真・女神転生if…[VC/ゲームアーカイブス] Ⅰ・Ⅱと比べてUIが多少良くなっている。 Ⅱの反省かバグもほぼ無い。 ゲームオーバーになることが少ない(死んでもダンジョンの入り口に戻されるだけ)が、 難易度はそこそこ高い。一部ダンジョンが苦痛を覚えるほど面倒。オススメはできない。 PSに移植版が出ており、こちらもバグはほぼ無くイージーモードが追加され 上述の苦痛なダンジョンも楽になっている。 PS系ハードがあるなら入門にお勧め。 デビルサマナー ソウルハッカーズ[3DS] SFCのシリーズとはUIが段違い。難易度も簡単で気軽に楽しめる。オススメ。 他のデビルサマナーシリーズの人物が登場するが、知らなくても大きな問題はない。 真・女神転生 STRANGE JOURNEY[DS] ゲーム化されたB級SFパニック映画。難易度は少し高い。 クセが強いがメガテンらしいともいえる。オススメ。 ○SRPG 同じSRPGでもデビサバと魔神転生ではそのシステムが大きく異なる。 デビサバはRPG寄り、マジテンは純正SRPG。 デビルサバイバー オーバークロック[3DS] 戦闘がコマンド形式(RPG形式)のSRPG。DS版の完全上位互換。 SRPGの中では難易度は簡単なほう。メガテンのノリも把握できるのでオススメ。 キャラゲー的要素も多め。 デビルサバイバー2[DS] 上記のゲームとシステムは同じ。難易度も同じ。 メガテンのノリは薄れており、キャラゲー要素が強い。 これを買うなら上を買った方がよい。微妙。 魔神転生[VC] 魔神転生シリーズは一番FEに近い。メガテン初のSRPGだったからかUIは悪い。 難易度は低いがテンポが悪くイライラさせられることもある。微妙。 魔神転生Ⅱ[VC] 上記のゲームとシステムは同じ。UIは向上し、難易度もそこそこ。 テンポは非常に悪い。敵が動く時間をのんびり待てるならとてもオススメ。 参考(倍速再生):ttp //www.nicovideo.jp/watch/sm1224224?from=125 ○2D収集系RPG 真・女神転生デビルチルドレン黒の書・赤の書[GBC/ゲームアーカイブス] 発売当時のポケモン人気にあやかって子供向けに出したメガテン。 ゲーム版とは内容が違うが、漫画化やアニメ化もされている。 ポケモン同様に人間は戦わず、アクマを集めて一覧で見られる等の収集要素が重視されている。 それでいて、ストーリーもメガテン的な面を残している。 FEのみならずポケモンも嗜んでいる任天堂ファンで、 かつアーカイブスで遊べる環境があるなら入門にお勧め。 特におすすめするのは デビルサマナー ソウルハッカーズ デビルサバイバー オーバークロック 魔神転生Ⅱ 次点で 真・女神転生 真・女神転生 STRANGE JOURNEY ○ファミコン作品共通事項 UIキツい。他のシリーズ遊んで興味湧いてから手出しすべき。 デジタル・デビル物語 女神転生[FC] 西谷史(敬称略)の小説を原作とした、記念すべき家庭用ゲーム機初メガテン。 実は先にパソコンでアクションゲームが出てるのだが割愛。 『女神転生』というタイトルは、この作品のヒロインがイザナミ神の転生体だった事に由来する。 当時のアトラスはナムコの下請けで、ファミコンの二作はナムコ名義で出ている。 FE側もそうであったように、ファミコンはUIがキツいので今からやるにはお勧めし難い。 難易度自体もSFCで出たリメイクの旧約・女神転生より高い。 デジタル・デビル物語 女神転生II[FC] 新型爆弾によって崩壊した近未来の東京が舞台。 こちらはというか、ここから原作無しの完全オリジナルとなり この作品が後のシリーズの源流とも言える。 悪魔デザインを初めて金子一魔(現・金子一馬、敬称略)が担当した作品でもある。 やはり今やるとUI的に厳しい面は否めないが、リメイクの旧約と違い オートマッピングではなくオートパイロットを採用していたり、 増子司(敬称略)の作曲したBGMがリメイクよりも非常に良かったりする点もあって やってみるだけの価値はある・・・かもしれない。 特にラストバトルのBGM『Omega~聖戦』は最後までプレーして聴くだけの価値がある。
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ボウファイター 聖戦の系譜、トラキア776に登場した弓歩兵。 いわゆるアーチャーに相当するクラスである。 弓騎兵であるアーチナイトの方が再行動などにより恵まれている分、加入キャラは優秀なキャラが多い。 聖戦の系譜ではクラスチェンジで昇格するスナイパーが対抗のボウナイトより上限が優秀で兵種スキルに追撃までもらえるとあって、非常に優秀。 本人たちの強さはもちろん、その上でジャムカのキラーボウや、ブリギッド&ファバルのイチイバルといった、超強力な武器が用意されている点も恵まれている。 トラキア776では一転して特に目立った暴れ方はしていない。 前作での調整を反省したのか、性能は抑え気味…で済めば良かったのだが、新システム「捕らえる」コマンドが使用不可能という事で環境的には向かい風が強い。 しかし加入キャラは両名ともに弱いというわけではなく、育てればしっかり強くなる。 タニアは初期メンバーでなおかつクセのない性能。短所らしい短所はなく、強いて言えば個人スキルを持ち合わせていない事くらい。 一方のロナンは………長所も短所もかなりはっきりしている。詳しくは彼の項目へ。 関連 ジャムカ ファバル ロナン タニア
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540 :名無しさん(ザコ):2013/06/03(月) 01 20 10 ID MCU58YTA0 スナイパー・レベッカ(ファイアーエムブレム烈火の剣) FEがGBAにハードを移しての第二弾な烈火の剣に登場の成り行き参戦弓娘枠。 前作だが時代的には続編にあたる封印の剣の主人公、ロイの乳母に後になると思われる。 おさげがチャームポイントな村娘だが、普段から狩りで弓を使って慣れてるからと、 直ぐに生身の人間相手に弓を引ける辺り色々と覚悟が決まってそうだがその辺を突っ込むゲームではない。 原作では技/速/幸運の伸びが高く、高い回避率と追撃発生の容易さで かなり強力なキャラとなっていたことを反映して、回避158の反応163とそこらの 回避系主人公を凌ぐパイロットパラに加え、運動性も昇格後で95と高く、回避合計416Sを誇る。 歴代のFEの弓兵系どころか剣士系含めても脇キャラにしては最高クラスであろう。 SPの揃いも集中ひらめき熱血加速気合と使いやすいものが揃っているので非常に扱いやすい。 職種の仕様上全武器が実属性なのに必中も直撃も無い事が弱点となるが、 元々対ボス戦には不向きなユニットのため、切り払いを持たないザコ戦用と割りきっての運用が良いだろう。 HPも3800とこのクラスのユニットしては高めでラッキーヒットの一発くらいは耐えられることもあり、 集中かけて敵陣に突っ込ませ、射程4の弓で適当に反撃してるだけでもどんどん敵を削っていってくれる。 流石にFE系のフォーマットの常で素のままでは最大火力1400と心もとないが、武器スロットに弓を装備出来る上に、 180と言う非常に高いENも持ち、追加で消費EN式の弓を持たせるのが非常に相性がいいので、 ミュルグレなりパルティアなりが手に入っているなら是非装備させてやりたい所である。 その辺りの良い弓を装備した状態であれば、そこらのSP55級のガンマンにも引けをとらない活躍が期待できるであろう。 ちなみに封印の剣に出る息子のウォルトの方は回避合計は371。サイズ差込みで実行回避率は50%以上変わるレベルである。 どうして差がついた……。
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公式の紹介 アスク王国の王子。 優しく真面目な性格。 特務機関の一員として、国の平和を守っている。 声優:鈴木達央 イラスト:コザキユースケ ステータス(LV40) レアリティ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ HP 40 43 攻撃 44 51 速さ 23 25 守備 30 32 魔防 20 22 取得スキル(☆5最大時) 武器スキル フォルグヴァング 補助スキル - 奥義スキル 太陽 紋章Aスキル 鬼神の一撃3 紋章Bスキル - 紋章Cスキル 攻撃の紋章3 固有武器 フォルクヴァング(☆5で習得可能) 威力 16 射程 1 効果 ターン開始時、自分のHPが50%以下なら攻撃+5 性能 ファイアーエムブレムヒーローズのオリジナルキャラクターの一人。 初期のレアリティは☆2。 各FEシリーズの主人公が蔓延る赤剣ユニットの枠争いにおいて、あまり使われることがない少々可哀想なキャラクターである。 ステータスは、素早さと魔防を低めに抑えた一回の攻撃に特化したタイプとなっている。 鬼神の一撃をデフォルトで取得でき、☆5まで上げて神器を手に入れた際の一撃は同レベルで防御の低い緑属性のキャラクターは 大体倒せる。 その分、速さが低いため、追撃は難しい&追撃されやすいという弱点を抱えている。 HPの量は多いものの、油断していると青属性だけでなく、赤属性、無属性からでも2撃で落とされる場合があるので 注意しよう。 名前 コメント
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マージファイター 聖戦の系譜に登場するクラス。マージ系の上位クラスで、名前の通り魔道書と剣を扱う魔法戦士・魔法剣士の類(※)。 自軍では、親世代のティルテュが、子世代ではティニーと代替キャラのアミッドとリンダがこのクラスになる。 炎・雷・風の中級までの魔法とある程度の剣が使えるようになり、移動力も1上昇する。 更に連続の兵種スキルも付くため、クラスチェンジによる恩恵が特に大きいクラスと言える。 (逆に言うと聖戦の魔道士系はクラスチェンジまでがきつい) 男女によって基本パラメータおよび上限値が異なり、男性は力・技・守備が少し優れ、女性は速さ・魔防に優れる。 また女性のみ杖(レベルB)が使用可能になる。(なぜ?) 魔法剣士と言っても実態は純魔法職に近く、自軍のユニットだと肝心の力が殆ど伸びない上に上限値も低いので、剣装備にあまり意味はない。 持たせるにしても光の剣を間接で撃ったり、守りの剣を盾代わりにするなどあくまで補助的な使い方が中心となる。 (父親の中で最も力の成長率が高いアーダンとジャムカの場合でも、ティニーの成長率は35%と少し物足りない) 同じ移動力、スキル持ちのセイジと比べると、こちらはレベルCの剣が使えるのに対し、レベルBの光魔法とレベルBの杖(男女共通)を使える。 前述の光の剣をこちらは使えるのでこの部分はあまり変わらないが、上限値はセイジの方がほぼ上位互換といえる様なもの。 特に魔力・速さで劣っているのが痛く、単純なアタッカーとしても状態異常杖使いとしても見劣りする(とはいえ歩兵故に、上限値は決して悪くないが)。 アーサーはマージナイトになるのに対し、代替キャラのアミッドはマージファイターにクラスチェンジする。 自軍唯一の男マージファイターなのだが杖が使えないので正直足の遅い下位互換と言わざるを得ない。 上限はこちらの方が高いので頑張ればパラメータだけなら上回ることもできるが、まだまだ壁は高く大きい。 ※アーサー(アミッド)のセリスとの会話(6章)には、「母が魔法戦士でしたから・・・」とのセリフがある。 関連 【エピタフ】
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タイトル なりきりファイアーエムブレム紋章の謎第一部暗黒竜と光の剣 キャラクターは視聴者さん!? ジャンル ゲーム 協力 目的 視聴者にキャラクターの操作をしてもらい、ゲームに参加してもらうこと。 準備 必要なもの ファイアーエムブレム紋章の謎 スーパーファミコン PC環境 キャプチャーボード 時間 普通にゲームをするより少し多く時間がかかります。一部だけなら40時間ほど 人数 2人以上(主1人と視聴者1以上)できればキャラクターの人数と同じだけ 詳細な内容 タイトルになりきりとあるように、視聴者にキャラクターになりきって参加してもらう企画です。 まず、主人公であるマルスは放送主が動かします。 このキャラクターも視聴者に譲ってもいいのですが、 ゲームの中心となる行動が求められるので、放送主が動かすとゲーム進行が安定します。 それ以外のキャラクターについては@オグマといった形で指示を出してもらいます。 例えば、鋼の剣で一番近いアーチャーを攻撃@オグマといったかんじです。 キャラクター同士のアイテムの交換なども、それぞれのキャラクターの操作人の話し合いで行います。 このゲームはキャクター同士が連携しないと簡単に死んでしまうゲームなので、 放送主は軍師としてキャラクターへのアドバイスをすることも必要となります。 また、実際に操作出来るのは放送主一人である以上、 視聴者が指示を出しやすいようにゲームの画面を動かし情報を伝えることも必要です。 反省点 キャラクターの指示でコメント欄が埋まるため、他の視聴者がコメントし辛いこと。 また、指示コメント重視になりすぎて他の視聴者のコメントへの対応が疎かになることもある。 上と同じような理由で、ゲーム自体を知らない人への対応もうまくいきませんでした。 よかった点 参加型は、参加してる人にとっては普通に見てコメントしてるだけよりも面白いこと。 徐々にキャラクターになりきったコメントが増えて盛り上がること。
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暗夜の騎士マークス 剣 騎馬 暗夜王国の王子。神器【ジークフリート】の使い手。騎士道を重んじており、兵からの人望も厚い。 ★5 Lv40時のステータス(スキルなし) HP 攻撃 速さ 守備 魔防 合計 44 32 24 37 17 154 ★5 Lv40時のステータス(スキルあり) HP 攻撃 速さ 守備 魔防 合計 44 48 24 37 17 170 入手方法 大英雄戦 ★3 ★4 初回クリア報酬 illust voice 前嶋重機 小西克幸 原作 暗夜王族 白夜王族 マークス リョウマ カミラ ヒノカ レオン タクミ エリーゼ サクラ マークス 暗夜の騎士 マークス 春色の暗夜王子 マークス 武器 ★1 鉄の剣 威力6 射程1 ★2 鋼の剣 威力8 射程1 100SP ★3 銀の剣 威力11 射程1 200SP ★5 ジークフリート 威力16 射程1 敵から攻撃されたとき、距離に関係なく反撃する 400SP 奥義 ★3 砕光 カウント5 自分から攻撃したとき、戦闘前、特定範囲の敵に(自分の攻撃-敵の守備or魔防)のダメージ 150SP ★4 烈光 カウント5 自分から攻撃したとき、戦闘前、特定範囲の敵に(自分の攻撃-敵の守備or魔防)×1.5のダメージ 300SP 補助 - スキルA ★3 金剛の一撃1 自分から攻撃したとき、戦闘中の守備+2 50SP ★3 金剛の一撃2 自分から攻撃したとき、戦闘中の守備+4 100SP ★5 金剛の一撃3 自分から攻撃したとき、戦闘中の守備+6 200SP スキルB - スキルC ★3 守備の紋章1 周囲1マスの味方は、戦闘中、守備+2 50SP ★3 守備の紋章2 周囲1マスの味方は、戦闘中、守備+3 100SP ★5 守備の紋章3 周囲1マスの味方は、戦闘中、守備+4 200SP 暗夜王国の第一王子。通称マニキ。 ファイアーエムブレムヒーローズでエンブラが召喚した英雄は契約によってエンブラの側について戦っているのだが、マークスは契約から解放されても、自らの意思でエンブラ側についている。 召喚で仲間にすることはできず、大英雄戦でのみ仲間にできる。 高い攻撃と非常に高い守備が特徴。 専用武器のジークフリートの効果遠距離反撃は非常に強力。 弓や暗器からはほとんどダメージを受けず、ジークフリートで反撃できるが、魔防が低いため魔法受けは難しい。 相性のいいスキル 武器 ジークフリート マークス専用武器。攻撃力が非常に高く、遠距離反撃が強力 補助 入れ替え 味方と入れ替わり、相手の攻撃を受けることができる 補助 引き戻し 味方を引き戻し、相手の攻撃を受けることができる 奥義 緋炎 守備の高いマークスとは相性抜群 奥義 華炎 守備の高いマークスとは相性抜群 A 相性激化 緑魔からのダメージを軽減し、緑魔に大ダメージを与えることができる A 獅子奮迅 攻撃・耐久・速さをあげることができる B 切り返し 反撃が絶対追撃になる。ジークフリートと相性抜群 B 待ち伏せ 反撃が先に発動する。ジークフリートと相性抜群 C 騎刃の鼓舞/紋章 騎馬の味方を強化できる C 騎盾の鼓舞/紋章 騎馬の味方を強化できる 余談 「春色の暗夜王子 マークス」の方が「暗夜の騎士 マークス」よりも1ヶ月以上先に実装されていた。
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登録日:2023/04/22 Sat 16 32 35 更新日:2024/05/25 Sat 19 30 01NEW! 所要時間:約 11 分で読めます ▽タグ一覧 DLC FEエンゲージ FE版ネガの世界 Nintendo Switch Switch なんでそんなことするんですか? インテリジェントシステムズ エンゲージ ダウンロードコンテンツ ファイアーエムブレム 並行世界 井戸 任天堂 救いはないんですか!? 死体蹴り 邪竜の章 鬱展開 鬱展開の嵐 「この世界に救いはない。」 「この世界に、あなたはいない。」 邪竜の章とは、ニンテンドーSwitch用ソフト「ファイアーエムブレム エンゲージ」におけるDLCの一つである。 本編の発売から約2ヶ月半後となる、2023年4月5日より配信開始。 概要 前作「風花雪月」における灰狼の章と同様、本編から逸れたもう一つの物語。 プレイするには本編とは別に「エキスパンションパス」(3000円)を購入する事と、本編を6章までクリアして、ソラネルの井戸のイベントを済ませておく事が条件。 なお、本作のDLCは4弾まであるが、バラ売りはされていない為、他のDLCは不要だが邪竜の章のみ購入するという事は不可能。 プレイ自体はDLC1弾から3弾の内容をクリアしていなくても遊ぶ事が可能となっている。 クリア後には特典として、複数のアイテムのほかに邪竜の章に登場する一部キャラクターの加入と、DLCで登場した兵種へのクラスチェンジが解放される。 システム 前作の風花雪月の灰狼の章とは違い、アカネイア戦記のような成長要素のないカジュアルモードと言ったところであり、キャラのレベル、クラスは各章ごとに固定。 経験値も入らずキャラや紋章士との支援レベルも上がらない。(*1) 武器に関しても同様で、各章開始時にキャラごとに所持品が決められている。 本編で入手、錬成した武器は持ち込めないので注意が必要。 出撃画面で荷物の受け渡しは可能なので、出撃しないメンバーのアイテムは片っ端から交換したり輸送隊に預けたりして出撃メンバーの武器を充実させたいところ。 また、武器は持ち込み不可だが紋章士の指輪、腕輪、継承したスキルは持ち込み可能。 そして当然ながら出撃できるキャラは、その時点で本編で加入している仲間のみである為、本編を進めるほど有利に攻略可能となる。 しかしその分、特典で加入する仲間の参入も遅れてしまうのが悩みどころ。 HPが0になったとしてもロストせず撤退するだけなので、クリア後にはまた出撃可能となっている。 ただし、リュール、エル、イルのいずれかがHP0になると敗北となる。 この3人(特にイル)の配置には細心の注意を払いたい。 新しい職業としては最大8マス先まで攻撃ができるシューターのような職業の「マージカノン」、アイテムや武器を強化して使用できるサポート職の「エンチャント」、そしてイルの専用職である「邪竜の子」が存在する。マージカノンとエンチャントはクリアするまで敵専用で、特にマージカノンは非常に厄介。 また大型の敵として「異形狼」と「異形飛竜」も登場。本編の異形竜に負けず劣らずに強い。 マップ難易度はかなり高く、本編よりマップ数は少ないがその分時間が非常に掛かるマップも多い。ロストしても次章に影響がないことを利用して敗北しても問題ないユニットを犠牲にする作戦は有効。 特に最後の6章は戦闘準備開始前に「味方が撃破されてしまっても失われることのなく、クリア後に復帰します。総力戦で挑みましょう!」と開き直ったかのような注意書きが出ており、実際にシリーズでも過去有数の高難易度となっている。 ぶっちゃけルナティックで邪竜の章をクリアできるなら、特典なんてなくても本編は余裕でクリアできる。 舞台、登場人物 エレオス大陸 邪竜の章の最大の特徴は「本編とは異なるエレオス大陸」という点であり、本編とは東西が反転したエレオス大陸が舞台となる。 歴代シリーズでもかなり平和だった本編の世界から一転、こちらのエレオス大陸では4つの国家が一触即発の緊張状態となっている。 また、本編で存在したのは十二の紋章士の指輪だが、こちらのエレオス大陸では七つの紋章士の腕輪であり、4つを4大国家に一つずつ、後はリトスに納められている。 また、そんな過酷な情勢である為か既に残っているのは各国の王子と王女たちのみで、王、及び臣下たちは先のソンブルとの戦争において既に亡くなっているようである。 生き残った人々も戦乱によって心が荒み、本編とは真逆とまで言えるほどの苛烈な性格となっており、その人となりを証明するかのようにクラスや個人スキル名に変化が見られる。 聖地リトス かつて神竜王ルミエルが治めていた聖地。 今ではルミエルとリュールの死により、荒れ果てた廃墟となっている。 神竜リュール(主人公) CV:下野紘(男)/遠藤綾(女) ソラネルの井戸からもう一つのエレオス大陸に招かれた神竜。 こちらの世界におけるリュールは本編とは逆の性別であり、神竜王に即位した後に命を落としたことになっている。 そして、その死によって4大国家の結束が失われてしまう事となった。 エル CV:朴ロ美 邪竜の御子である双子の姉。 現れた神竜に対しても冷淡な態度のクールビューティー。 ショートの黒髪に青と黒の衣装を纏っている。 この世界では邪竜の御子は双子で生を受けるのだが、成長するにつれて片割れを失ってしまう。 しかし彼女とイルは今でも生き残っている為に強い絆で結ばれている。 当然ソンブルの娘ではあるのだが、ソンブルに離反し神竜王ルミエルの下で戦っていた。 クラスとしては本編のヴェイルと同様の「邪竜ノ娘」なのだが、彼女は竜石と槍を使って戦う。 ▷ ネタバレ 過去に他の兄弟にイルの事を出来損ないと馬鹿にされた際には、逆上して他の兄弟を皆殺しにしてしまう。 腕輪を回収する為に、一度は投降したはずの王子たちをもその手にかけていた。 しかし、それも後述のネタバレにある事実をただ一人知っていたための行いだった。 そして、その辛さを神竜に味わわせまいとする、優しい心の持ち主でもあった。 また、こちらの世界の神竜に想いを寄せていた為、訪れた神竜にも心を開こうとはしていなかった。 イル CV:江口拓也 邪竜の御子である双子の弟。 姉とは対照的に、彼は白い髪に赤と白の衣装となっている。 竜化も紋章士の顕現する力も持ち合わせていない、いわゆる姉の出涸らしであり、本人もそれを自嘲している。 だが、そんな境遇を感じさせない明るい性格を持って姉を慕っている。 作中のステータスにもその貧弱さは現れており、クラスこそ「邪竜ノ子」なのだがエルと違って竜石は使えず、斧をもってしてもロクにダメージを出せず、攻撃を受ければまず追撃により即死してしまう。 邪竜の章ではリュール、エル、イルのいずれか一人の死亡でゲームオーバーとなる為、彼を守ることを最優先に考えなくてはいけない。 カムイによる竜脈発生役か、ミカヤによる杖役に回すのがいいだろう。 四翼 エルとイルに仕える4人の騎士で、エレオス大陸の各国に散って情報収集などをしている。 本編に登場する「四狗」とよく似ているようだが……? セレスティア CV:深見梨加 「四翼」のリーダーを務める女性。 明るく人懐っこく愛情深い性格で、エルとイルの忠実な部下。 勿論ソンブルには敵対している。 スキル名もまさしく「ムードメーカー」で、彼女が敵を撃破する事で味方の命中率を上げる切り込み隊長的存在。 セピアと同様彼女も魔竜族で長い時を生きているようだが、年齢については本人もグレゴリーも冗談混じりに扱っている。 グレゴリー CV:津田健次郎 「四翼」の一人であるセイジ。 過去は邪竜信徒であったが、邪竜の為に自身の血をささげるなどの教えが苦手で、動物の血で誤魔化していたものの同僚に発覚。 償いとして命を捧げろと言われた事でついていけなくなってしまい、離反した過去を持つ。 「生存戦略」という回避を大きく上げるスキルにもその性格は表れている。 グリとそっくりな姿だが、痛みが苦手で刺青などのない綺麗な体をしている。 ぬいぐるみなどのフワフワした可愛いものが好きという一面も。 マデリーン CV:青木瑠璃子 「四翼」の一人であるジェネラル。 マロンと同様斧を扱うが、彼女は水色系の鎧となっている。 幼い少女でありながら、騎士としてエルとイルに強い忠誠を誓い、人からの評価より自身の誉を重んじる気高い精神の持ち主。 モーヴには密かに想いを寄せている。 モーヴ CV:前野智昭 「四翼」の一人。 名前の通り、彼だけ本編と同名である。 元々はソンブルの御子の騎士だったが、その主人を失ってエルとイルの元についた。 四翼結成の立役者でもあるのだが、リーダーの座はセレスティアに譲り、彼はその副官をしている。 彼のみ他の四翼と違ってゲスト参戦すらせず、クリア後の加入もしない。同じ顔と名前が二人並ぶことになっても困るが。 フィレネ王国 こちらのエレオス大陸の南東に位置する国家。 熱き猛将の腕輪を所有している。 好戦的で猜疑心が強く、リュールが訪れた際には自国の産業崩壊を建前に隣国ブロディアに攻め込まんとする直前まで戦の熱が激化していた。やってる事が完全に蛮族なのでやはり武力の国では アルフレッド CV:木村良平 フィレネ王国を率いる現国王。 妹のセリーヌからは弱虫と言われているが、かつての仲間に剣を向ける事に慎重になっているだけで自身の「保身」のために戦う意志自体は非常に強く、かつては「散花の王子」とまで称されたほど。 リュールを異形兵として蘇らせたという思い込みからエルとイルに戦いを挑む。 セリーヌ CV:鬼頭明里 PVでプレイヤーの度肝を抜いた人その1。 自国の幸せを求めるあまり、他国の犠牲を厭わず踏み付けにしようとする冷徹非情で感情的な性格へと変貌している。 神竜とは一度本気で殺し合ってみたかったとすら言ってのける様相はまさに「戦場の花」。 実際に戦った後、母や臣下を失った事で冷静さを欠いていたと反省するが…… ブロディア王国 こちらのエレオス大陸の北東に位置する国家。 幼き皇女の腕輪を所有している。 こちらでは争いを好まない引きこもり国となっており、王子ディアマンドも戦には消極的となっている。 ディアマンド CV:諏訪部順一 ブロディア王国の現国王。 王や家臣を失ったショックのせいか戦いを恐れており、覇気が消え失せた弱気な面が非常に多く見られる。 その姿勢は戦い方にも表れており、ヴェロニカのエンゲージ技によって代わりに戦う英雄を呼び出すなど、とことんまで戦いから遠ざかろうとしている。 なお、本編では武人タイプのキャラであり、魔法を扱うヴェロニカは一見ミスマッチだが、邪竜の章においては魔道に長けており、彼自身がいくら消極的と言っても実力はそれなりに高いので注意が必要。 スタルーク CV:岡本信彦 PVでプレイヤーの度肝を抜いた人その2。 偉大な兄と比較し自己嫌悪していた本編の彼とは真逆に、自身の「能力を誇示」し、弱腰な兄を見下し隙を見て暗殺して王の座を簒奪することさえ目論んでいる傲慢な人間と化している。 イルシオン王国 こちらのエレオス大陸の北西に位置する国家。 蒼の参謀の腕輪を所有している。 本編と同様の邪竜信仰により、邪竜復活の儀式を進めていた。 アイビー CV:日笠陽子 イルシオン王国の現国王。 自らを「美しい」「完璧」と自賛し、高慢な態度を隠そうともしない典型的な悪女となっている。冷静沈着だった本編世界の彼女よりも明らかにテンション高い また、臣下のゼルコバからは愛を囁かれて寵愛する一方、カゲツには振り向いてもらえないままだった事を最後まで理解できないでいた。 こちらでは邪竜ソンブルの復活を自ら推し進めており、それを阻んだハイアシンスをその手で贄として捧げている。 オルテンシア CV:木野日菜 イルシオン王国の第二王女……のはずだが、フィレネやブロディアとは異なり、アイビーの側にはいない。 と、いうのも戦闘会話で「妾の子達の様に断頭台に送られる」という色々とんでもねぇ蛮行を直ぐそばで見てきたからであり、それ故姉に会うだけで怯えている。 ソルム王国 こちらのエレオス大陸の南西に位置する国家。 暗き妖艶の腕輪を所有している。 深くは語られなかったが、後述するとても真面目なミスティラを見る限りまだこのエレオス大陸の為に邪竜と戦う意志を持っていると思われる。 ミスティラ CV:小清水亜美 現在のソルム国王。 邪竜復活を目論むイルシオンを阻止する為、腕輪の力を持って侵攻を始めた。 自由で明るい雰囲気は鳴りを潜め、真面目で気高い精神と「王の威厳」を持ってはいるが、アルフレッドと同様やはり話を聞いてはくれずにエル達と戦うこととなる。 フォガート CV:KENN ミスティラの弟であるソルムの王族。 オルテンシアと同様、彼もミスティラと共にはいないようで……? グラドロン 邪竜ソンブル CV:小西克幸 神竜王ルミエルが命をかけて封印した邪竜。 こちらの世界でもやはり全ての元凶である困った毒親小西パパ。 ▷ 以下、邪竜の章後半におけるネタバレ 各国に残った王族と兵士、そして民たちすらも、実は精巧な異形兵であった。(*2) この世界には、もはや四翼以外の人間はほとんど生きてはいなかった。 そして、その四翼も戦いの中、エルの為に異形兵らと戦い、その命を落とす。 全ての腕輪を集めるべく暗躍していた者の正体は…… ラファール CV:江口拓也 イル……いや、イルを名乗っていたものの本性であり、この物語における黒幕。筋肉はいじめなさそう。 本物のイルはかつて戦場で命を落としており、彼はそれに成りすましていたに過ぎなかった。(*3) オルテンシア、フォガートの異形兵を手駒とし、暗躍してきた。 彼の心にはずっとエルへのコンプレックスが強く根付いていた。 そして、努力の末に紋章士を起こす力を身につけても、その力を隠して生きる事をソンブルに言いつけられる。 ラファールこそが後継に相応しいというソンブルの甘言に心を動かされてしまい、邪竜を継ぐものとして生きる決意をした。 しかし、エルと過ごした日々に幸せを感じ、心からエルを姉と慕っていたこともまた事実である。 だが、自分が本物のイルでないという事に、どうしようもない絶望を感じていた。 7つの腕輪の力を手にした彼は、骨のような姿の邪竜へと変化する。 そしてエルを手にかけようとするも、モーヴの命をかけた機転で死地を脱した四翼の3人によって妨害され、最後の戦いが幕を開けた。 彼に従うフォガートは性格こそ明るいが笑いながら人を殺す「殺戮者」ともいうべき残忍な性格となっており、幼き皇女の腕輪の力により異形兵を次々と召喚したり、祖たる神竜の腕輪にて竜となって襲ってくる。 どうやら何度も異形兵として甦らされているせいか、記憶の欠落も見られるようだ。 そしてオルテンシアは姉からの虐待や臣下や理解者を失った事で自分を卑下し全てを諦めたかのような無気力な存在となっていたが、それでも姉に愛される事を望んでいた。 最後の戦いの後、ラファールがイルと成り代わった真相、そして竜石と、姉を守ることを本物のイルから託されていたことを語る。 しかしエルは、既にイルが別人である事に気付いていた。 それでも偽りの日々を幸せに過ごしていたのだった。 そして、ラファールの邪竜としての衝動を止める為、エルは刃を振り上げ……自身に突き立てた。 イルではなく、ラファールの心を救うために。 エルの死によりイルの竜石は砕け、ラファールも敵意や憎しみから解放される。(*4) そして、竜としての力を蓄え、やがてエルに命を分け与えることを誓った。 たとえそれが、どれだけ長い時間がかかろうとも。 リュールはラファールに神竜の加護を与えて元のエレオス大陸へと誘い、モーヴ以外の四翼と共に帰還する。 そして、晴れ渡るソラネルの空を眺めるリュールに声をかけたのは…… 「お久しぶりです、神竜様」 「約束通り来てやったぞ。起こすのに少々……千年ほど手間取ったが」 「ようこそ、エル、ラファール。素敵な朝ですね。」 追記・修正は井戸を覗き込んでからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 実はこの世界の神竜は別に黒幕倒せとか世界を守れという要望はしていない。つまり最初からわかってて本編リュールを呼んだ模様。 -- 名無しさん (2023-04-22 17 59 24) ↑最初の会話の時点で「もう救えない」って言ってたもんな。 -- 名無しさん (2023-04-22 18 31 00) アイビー起点で歯車が狂いまくっているイルシオン組がすげー悲惨に見える。 -- 名無しさん (2023-04-22 19 41 49) この章に出なかった死亡した臣下達はだいたい本編とは真逆の性格らしいけどエーティエは本編とは逆にアルフレッドと恋仲だったかもしれない -- 名無し (2023-04-22 19 43 21) メリンが動物嫌いだったりしたらしいので家臣の趣味嗜好も反転してるみたい。ルイとかヤバそう。 -- 名無しさん (2023-04-22 20 05 37) ルナ終章の人の悪意を詰めたようなマップ好き -- 名無しさん (2023-04-22 20 17 23) ラストバトルがBGMもマップも演出も敵ユニットたちも含めて滅茶苦茶熱くて凄く好き。でもめっちゃムズイ -- 名無しさん (2023-04-22 22 11 46) 何気に本編だとストーリーの都合上クラシックでも撤退する4王族の最期を見れるという -- 名無しさん (2023-04-22 22 21 06) 邪竜セリーヌとか言うバーサーカー。6章でもフォガード並にぶっ飛んだ事を言ってて驚きですよ -- 名無しさん (2023-04-23 00 17 17) 邪竜セリーヌの「自分が幸せなら他人は不幸になっても知らない」という「幸福論」。リュール支援会話内で出てきた盗賊と同じレベルなんだよねえ。 -- 名無しさん (2023-04-23 04 00 03) 邪リーヌはこっちのフィレネの気性もあるけど、親友のエーティエ死亡・クロエ行方不明・ルイ死亡で精神安定剤の紅茶が飲めなくなるで、丹念にぶっ壊れるた過程があったのがおいたわしい -- 名無しさん (2023-04-23 07 28 13) スタルークも戦闘会話で根っこは本編と同じだけど全部喪った事で虚勢張ってるだけと示唆されてたり、中々にしんどい -- 名無しさん (2023-04-23 09 19 32) 主人公が男女で全く見た目違うのに「瓜二つ」「そっくり」「異形兵として蘇ったと思った」みたいに言われ続けるのと、モーヴが自己紹介前から異世界の神竜って知っていて意味深なカット入るのが結局回収されて無くて謎のままなのが気になる -- 名無しさん (2023-04-23 11 14 17) ↑モーヴは本編独身後日談が普通に答えだと思う、性差は魂の形が同じだから見た目は別でも同じ存在に感じるとかなのかも……? -- 名無しさん (2023-04-23 13 34 27) ボネが強かったと言及されているが、それって公式が弱いって認めてないか?www -- 名無しさん (2023-04-23 16 45 14) モーヴ行方不明になるの晩年で邪竜の章だと本編と同じ若い姿だからそこつなげると矛盾しない? -- 名無しさん (2023-04-23 19 34 30) ↑そっか、そういえば晩年だっけ……転移時に時空の歪みで若返った、記憶継承転生、本編と似た異界から転移した別人、とかなのかなあ…… -- 名無しさん (2023-04-23 21 34 34) 6章クリア時点で挑めるけど、そのままクリアすると加入組のレベルのせいで遭遇戦レベルがハネ上がる地味な罠もあったり まぁ邪竜クリアしてるんだから多分問題無いだろうって判断なんだろうけど -- 名無しさん (2023-05-10 00 15 35) 邪竜アイビー「この私が女王。つまり・・・イルシオンのニューリーダーよ!!」 -- 名無しさん (2023-05-14 01 03 22) こっちだとカゲツが性格面でもナバールタイプっぽいね -- 名無しさん (2023-05-19 14 50 12) ノーマルに限りリベラシオンが超強化されているためラスボス速攻撃破が可能。ただし結構な下準備は必要。 -- 名無しさん (2023-08-18 12 48 17) 名前 コメント
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ファイアーエムブレムif 白夜王国/暗夜王国 【ふぁいあーえむぶれむ いふ びゃくやおうこく/あんやおうこく】 ジャンル ロールプレイングシミュレーション 対応機種 ニンテンドー3DS 発売元 任天堂 開発元 インテリジェントシステムズ 発売日 2015年6月25日 定価 パッケージ/ダウンロード 4,700円SPECIAL EDITION 9,250円(各税別) レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 なし ポイント シリーズでも珍しい和風テイストバージョンごとに異なるストーリーと難易度多くのシステムが刷新され戦略性が大きく改善一方でシナリオ面は不評 ファイアーエムブレムシリーズ 概要 特徴 評価点 問題点 賛否両論点 総評 余談 概要 『ファイアーエムブレム』シリーズ14作目にして、シリーズ初のCERO C(15歳以上対象)作品。 キーワードは「もしも(if)」。シリーズ初の複数パッケージ販売で、選んだルートによってシナリオ・マップ・キャラクターの異なる物語が展開する。 特徴 分岐するストーリーとゲーム内容 本作ではシリーズで初めて、プレイヤーの分身であるマイユニット(デフォルトネーム:カムイ)が純粋な主人公(*1)となる。主人公は「白夜王国」の王家に生まれ、「暗夜王国」で育ったという境遇にあり、ストーリー序盤でどちらの国について戦うかを選ぶこととなる。 本作最大の特徴は、それぞれのルートを別パッケージとして発売し、それと同時にゲームバランスにも大きな変化を付けている点にある。ダウンロード版ではifの1パッケージで販売されているが、一度でも共通シナリオ部分を抜けるとどちらかを選択する形になり、以降はパッケージ版と同等となる。この手のゲームでは「2本買うのはちょっと…」という声が大きいが、反対側のシナリオはDLCとして安価で購入可能という大胆な手法を取っている。 『白夜王国』ルートでは、暗夜王国の侵略に対し白夜王国の仲間たちと力を合わせて立ち向かうという、これまでのシリーズとほぼ同様の王道ストーリーが描かれる。 マップや勝利条件はシンプルなものが多く、メインのシナリオ以外でも「遭遇戦」を使って自由に経験値や資金を稼ぐことが可能と、前作『覚醒』の路線を受け継いでいる。難易度は3つのルートの中では最も低めで、シリーズ初心者やライトユーザーにもプレイしやすい。 『暗夜王国』ルートでは、白夜王国との戦いを強いられる中、暴走する自国を内側から変えようと試みる複雑な立場に基づいたストーリーが描かれる。 こちらでは「遭遇戦」が一切できないために得られる経験値と資金に限りがあり(*2)、従来作と同様限られたリソースを考慮した戦いが楽しめる。マップや勝利条件も複雑なものが多いため、歯ごたえのある難易度を求める中上級者のシリーズファン向けのルートと言える。 そして2015年7月9日に大型DLCとして配信された「インビジブルキングダム」ルートでは、どちらの国にも与さないことを選んだ主人公たちによる、白夜王国と暗夜王国の狭間に隠された「透魔王国」での戦いが描かれる。 白夜と暗夜両ルートに出てくるほぼ全てのユニットを使用可能で、白夜ルートと同様に「遭遇戦」も可能なため自軍編成や育成の自由度が高い。難易度は『白夜』と『暗夜』の中間程度で、変則的なマップギミックが多いのが特徴。 暗夜側のユニットと白夜側のユニットで支援を組める組み合わせもあるため、このルート限定の支援会話も多数ある。 ただし、3DS/WiiUのニンテンドーeショップによるダウンロード販売が2023年3月28日午前9時に終了したため、ほかのダウンロードコンテンツと同様、現在は新規購入が不可能。 どのルートもそれぞれ単体で前作『覚醒』と同等のボリュームがある。同じ場所という設定でシナリオを跨いでマップを使いまわしている章もあるが、敵の編成や配置が全く異なっているため別のマップのような感覚でプレイできる。 また、一度共通シナリオ(無章~5章)までをクリアすると、新データを作成する際に共通シナリオを飛ばしていきなりルート選択(「運命の分岐点」と呼ばれている)から始めることも可能。主に反対側シナリオやインビジブルシナリオを購入した人向けの機能。主人公のキャラメイクもその都度やり直すことができる(*3)。 本作のシナリオは、漫画原作者の樹林伸氏(*4)が手掛けている。そのため王道ながらもどこか不気味な展開や、二国間の裏で暗躍する国や存在があるなど、氏の作風が反映されている。 厳密には樹林氏が担当したのは『白夜王国』『暗夜王国』『インビジブルキングダム』の名称を含むシナリオの原案で、ゲームへ落とし込むに当たってのシナリオは、『白夜王国』と『暗夜王国』ルートを前作『覚醒』でキャラクター設定全般を手掛けたISの小室菜美氏、『インビジブルキングダム』ルートは『428 ~封鎖された渋谷で~』の北島行徳氏が手掛けている。 武器・戦闘関連 本シリーズの大きな特徴の一つでもあった武器の耐久度システムが撤廃された。 ただし武器耐久度のないシリーズ自体は『外伝』が既に存在する。また杖や消耗アイテムは従来通り使用回数に限りがある。 どの武器も無制限に使えるようになった一方で、強力な武器には何らかの制約やデメリットが付いているという形でバランスが調整されている。例えば「鋼」は追撃しにくい、「銀」は使用後にステータスが下がる、ハンマーやビーストキラーなどの特効武器はそれ以外のユニットに弱い、間接攻撃武器は追撃不可能など。 一番威力が弱い青銅の武器にも、敵からの必殺率を減らすというメリットがある。自分も奥義と必殺が出なくなるが、思わぬやっつけ負けを防げるという点は見方によればメリットでもある。 新しい武器種として「暗器」(*5)が追加。射程は1~2で、威力こそ低いがヒットすれば(ダメージの有無に関係なく)相手のステータスを一時的に減少させる効果がある(*6)。 これまでの剣槍斧の3すくみに遠距離武器の3すくみが複合され、 [剣][魔法] < [槍][暗器] < [斧][弓] < [剣][魔法] ……という形になっている。 剣と魔法が弓、槍と暗器は魔法に対して優位を得られるようになるという具合に、ほぼすべての武器が一同に3すくみの影響を受けるようになった。 3すくみの効果自体は『新暗黒竜』以降お馴染みの「武器レベル」に依存する形式で、勝っている側の武器レベルが高ければ高いほど効果が大きくなり、逆に負けているほうは武器レベルの補正が消える。また、3すくみの関係を逆転させる武器(*7)も存在している。 最初こそ覚えにくいが、各武器の色分けをポケモンシリーズの御三家の相性( 炎 < 水 < 草 < 炎 ……)に当てはめるとわかりやすい。 武器レベル上限の規定と武器ランクSが復活。兵種によって使用できる武器の種類だけでなく武器レベルの最大値も決められている。 ほとんどの兵種は直接の下級職が使っていた武器はA、それ以外はBまでとなっており、武器ランクをSまで上げられるのは単武器上級と極一部のみ。例えばアクスファイター(従来の戦士)の上位職であるバーサーカーは斧の最大レベルがSで、もう一つの上位職であるブレイブヒーロー(従来の勇者)ではBとなっており、それ以上は絶対に上がらない(*8)。 『覚醒』のデュアル・ダブルに相当するシステムを分割・調整したシステム「攻陣・防陣」。 攻陣はユニット同士が隣接している際の戦闘で発動。戦闘に参加していないユニットが、本来の半分のダメージを与える追加攻撃「デュアルアタック」を必ず放ってくれる。 防陣はダブル同様、同じマスにユニットを2人重ねることで発動。ステータスが上昇するだけでなく、敵の攻陣のデュアルアタックを常に無効化する。また攻撃する・攻撃されるごとに溜まるゲージが最大になると、敵の攻撃を1回確実に無効化する「デュアルガード」が発動する。 ただし防陣状態のユニットが攻撃を仕掛けた場合は、自軍の攻陣によるデュアルアタックも発動しない(ただし他の防陣状態でないユニットが攻撃した場合は、防陣しているユニットもデュアルアタックとして攻陣に参加可能)。 前作ではデュアルアタック・ガード共にいずれもランダムで発動していたために運ゲー化の一因となっていたが、今回は一定条件下で確実に発動してくれるため戦略に組み込みやすくなった。 『覚醒』ではとにかくダブルのメリットが強かったが、今作では攻陣と防陣は一長一短の性能であり、戦況と戦術に合わせて的確に使い分ける必要が生まれている。 さらに『覚醒』と違って敵も攻陣を使用でき、防陣を組んだ敵も登場する。 所謂「バフ・デバフ」の概念が本格的に導入された。 これまでのシリーズでもマジックシールドなど一時的な能力変化アイテムはあったが、今作では暗器を始めとしてそういった能力変化効果(武器・アイテム・スキル)の種類が大幅に増加している。 一部の武器には「服剥ぎ」というおまけ効果を持つものが存在する。 この武器を装備し、特定の条件を満たした状態で攻撃をすると、一定確率でその名の通り敵の服を剥がして下着姿にする効果がある。 重厚な鎧を身に纏ったジェネラルや、馬鎧を装備したパラディンの騎馬でさえも丸裸にできてしまうのは実にシュール。ただし防御力低下効果などはついてこないのであくまでおまけ要素。 一部の名有りユニットにもこの効果が適用されてしまうので、戦闘時のシチュエーションが残念なことになってしまうことも。気になる場合は使用を控えよう(*9)。 ちなみに上記の武器を使わなくても、被ダメージが大きい攻撃を何度も受けていると身に着けている服や鎧が少しずつ壊れていく演出がある。 命中率について FEシリーズはGBA版以降・『暁の女神』以外全ての作品で「実効命中率」と呼ばれる二重判定補正(*10)を採用していたが、今作では命中率が一定以下の場合にこの補正がかからなくなる仕様がある。 このため、これまでの作品と比べて低命中率の攻撃が当たりやすくなっており、回避頼みの戦術は必然的に不安定になる。 ユニット関連 前作における「チェンジプルフ」に相当するアイテムとして、「パラレルプルフ」が登場。これを使うとそのユニットが持つ「素質」の職になることができる。なお、今回は本人の「素質」は2種類から1種類に減少している(*11)。 パラレルプルフはチェンジプルフと違い、レベルがリセットされず元のレベルのまま変更することになる(レベル10でチェンジすればチェンジ後もレベル10)。この状態で該当スキルを覚えるレベルまでレベルアップすればそのスキルを習得可能。さらに上級職の場合は下級職のスキルも一つずつ覚えていく(*12)。 前作同様、支援Aまでは無制限に成立可能。異性は1人だけ支援をS(伴侶)にすることができ、さらに今作では同性に対しても1人だけA+(親友)となることが可能である。 支援効果の他に、「マリッジプルフ」や「バディプルフ」が追加されて結婚相手や親友と同じ兵種になれるようになったため、戦略的な意味も大きくなった。そのユニットの短所を補うスキルや長所を伸ばすスキルをすぐに覚えることも可能なのである。 このように育成が自由になった結果、前作のように支援相手によって子世代ユニットが極端に強くなる・弱くなるということがあまりなくなった。 スキル周りの基本仕様は前作に基づくが、各キャラに兵種から手に入るスキルの他に「個人スキル」が与えられている。このスキルはユニット毎に全く異なっており、取り外したり子世代に遺伝させることは不可能となっている。 常時発動する強力なパッシブスキルもあれば、使いどころが限られている玄人向けスキル、さらにネタとしか思えないスキルまで様々で、各キャラの個性を引き出している。 『覚醒』における強力スキル「良成長」「疾風迅雷」に調整が行われている。 良成長はステータスのアップ確率が20%から10%に低下。一つしか上がらないこともたまにある。 疾風迅雷は誰とも攻陣・防陣を組んでいない状態でないと発動しない。さらにこのスキルを習得するダークファルコンは特別なアイテムを使ってチェンジする特殊職扱いとなっており、そのアイテムの習得方法も別ルートの購入ボーナスを除けば高難易度のDLCのみ。しかも習得レベルは35(一般クラスの上級15に相当)、子世代に継承不可能となっている。ただし、男女問わずチェンジできるので理論上は誰でも習得可能。 単純な大ダメージ効果のスキルなどは基本的に追加されていないが、戦術として組み込むのに有用なスキルが多数追加された。 前述したバフ・デバフもそうだが、それ以上に画期的なのが「守備隊形」。自身にも相手にも追撃が発生しなくなるという効果を持つこのスキルは、速さが足りないユニットにとっては非常に有用。本作のゲームバランス中で数少ない「耐えられる」ユニットというのも重なり、このスキルを有するジェネラルの強さはシリーズ中屈指とも言われる また、本作より新たに採用された「~~の一撃」は、自分から攻撃を仕掛けた時に命中・回避・防御・必殺などが上昇するというありそうでなかったスキル。敵もこの類のスキルを持っている(*13)ため積極的に攻めるメリットが増加しており、地雷戦術に偏りがちだった面もある従来のバランスに一石を投じている。 特定キャラクターのスキルを使うことで、敵ユニット(一部除く)を捕獲し、仲間ユニットとして使うことができる。 これにより自軍の埋め合わせが可能な他、一部の敵ユニットは育成次第で一軍メンバーになれるほどの強力なユニットに化けることもある。 装備品は無くなるが能力、武器レベルとスキル(一部除く)がそのままのため、高難易度では育てた自軍キャラをも凌駕するような強力な敵を仲間にし、即戦力として起用することが可能。 高難易度ではかなりの難敵となる上忍や守備隊形持ちのジェネラルなども、捕縛して起用すると相応に強力だったりすることが多く、敵のステータスやスキルが強力になりどうしても戦力不足になりがちな高難易度モードでは戦力の補強手段としてかなり有用な要素である。 一部限定とはいえマップのボスまで仲間に出来るので、捕獲できる敵を積極的に捕獲し、ボスのみで編成された軍団を作成する、などの遊び方も。 前作で問題視されることも多かった「チェンジプルフ」による無限レベルアップは事実上の撤廃。 「パラレルプルフ」はレベルダウン機能を失い、代わりにレベル上限を5上昇させる「エターナルプルフ」が追加。最大で99レベルまで上昇させることができる(*14)のだが、非常に高価で普通にプレイしていると一つか二つ手に入れるのがやっと。暗夜ルート以外なら理論上は無限に入手できることはできるが、手軽にはできなくなったのでバランスは良くなったと言える。 子世代ユニットの参入レベルは、本編シナリオの進行度に合わせて上昇する。 参入レベルが20を超えるまで本編を進めてから子世代参入の外伝をプレイすると、下級職レベル20の子世代が専用アイテム「チャイルドプルフ」を持った状態で登場する。基本的な部分は普通のクラスチェンジアイテムだが、使用することでゲームの進行に応じて上級職レベル1をも上回って一気に成長する(当然そのレベルアップ分の成長も反映される)。 このアイテムのおかげで、『覚醒』で起こりがちだった「子世代を使うためにいちいち低レベルから育てる必要がある」という問題は改善され、外伝で仲間にすればそのまま即戦力として活躍できるようになった。 レベルアップ時の仕様 今作ではレベルアップ時の乱数が完全に独立したため、一度そのマップが始まったら何をやっても成長の結果が変わらないようになっている。そのため成長を吟味したい場合は章セーブや戦闘開始前からやり直す必要がある。 更に難易度ルナティックではキャラごとに加入時点で成長乱数が決まるようになったため、成長吟味は事実上できなくなっている。 マップと戦略 マップ上には「竜脈」と呼ばれるポイントが存在することがあり、王族ユニット(ステータスに王冠のマークがあるユニットでプレイヤー側なら白夜、暗夜の王族と主人公)はその場所に移動してコマンドとして選択することでマップ上に様々な現象を起こせる。 主に地形を変化させるものが多く、山を均したり海や川を干上がらせるなどの奇跡を起こすことにより、マップに大きな影響を与える。他にも、敵にダメージを与えたり魔法を封じたりと、マップによって効果は様々。 ただし、王族ユニットは敵側にもいる。そのため敵もこの竜脈を使って自軍に不利な状況を作ることもある。 明確に自軍に有利な状況を作れるものもあるが、中には安易に発動することで返って自軍に不利な状況を作ってしまうものもある。あくまで戦略の一つとして使い時を見極めなければならない。 前作にはなかったロングアーチが「弓砲台」として復活。従来作とは異なり弾切れがなく無限に射つことが可能になったが、砲台のダメージでは必ずHPが1以上残るようになったためとどめを刺せなくなった。また同様の遠距離攻撃ギミックとして「暗器砲台」「魔道砲台」も登場した。 またユニットを別の場所へ移動させる「階段」や「ワープポイント」といったギミックも登場した。 高難易度限定ではあるが、本作にも「同じ敵を攻撃するごとに取得できる経験値が最低0まで下がる」といったペナルティがある。このため所謂「チク(*15)」というテクニックは制限されている。 また、高難易度では敵よりこちらのレベルが高い時のみ獲得経験値が大幅に減らされるようになっており、必然的にメンバー全員を平均的に育てることを要求される。 更に杖キャラの獲得経験値も減らされており、上級職に上がった後は杖を振ってもまともに経験値が入らなくなる。 マイキャッスル 主人公の軍をまるごと収容可能な異界の城。身支度・武器屋・道具屋・錬成屋・「みんなの様子」・通信関連の要素全てをまとめてひとまとめにしたホームポイント。 全体の見た目やBGM、各種建物を好きな位置に建造し、撤去することが可能。常についている執事ユニットを名無しの敵モブキャラに変更することもできる。 各施設も「竜脈値」を消費してレベルを上げることで、できることが増える。竜脈値は他のマイキャッスルを訪問したり、章をクリアすることでたまる。 ただし、多くの施設は章を進めないとレベルアップできないようになっている。このため序盤からいきなり最強レベル、ということはできない。 これによって「シナリオの進行に関係なく買い物が行えるのはおかしいが、影響されるのも不便」という問題を(力技ではあるが)解決している。 だがその力技の影響を受けたのがシナリオ回り(後述)。 マイキャッスルには「朝・昼・夕・夜」の時間設定がされており、リアルタイムの経過(*16)かマップクリアで切り替わる。一部の施設は(ゲーム内での)一日につき一回しか利用できない。 施設毎の店番は、味方ユニットの中からランダムで当番が決まる。対応のセリフがそれぞれ用意されているだけではなく、店番によって施設の効果が変わってくるものもある。 + 施設一覧 マイルーム 最初に作ることになる施設。主人公の髪型(女性の場合は髪飾りも)を変更できる他、仲間と触れ合って(後述)支援度を上昇させることができる。 支援度を上げられるのはハートマークがついた一部のユニットだけだが、レベルアップ毎にその数も増えていく。 ちなみに主人公が結婚すると、結婚相手がマイルームにいるようになる。 武器屋・道具屋 各種様々な武器・道具を購入できる。レベルアップする毎に品揃えが豊富になる。 ただし、一部のアイテムは購入できる数に限りがある。 白夜・暗夜毎に売られているアイテムが異なるが、透魔ルートのみ両方の品揃えを利用できる。課金してこその恩恵といえる(*17)。 店番をしているキャラによって(正しくはクラスによって)特定のアイテムが割引価格で買える。 特産品 畑などで食材、泉や鉱山から鉱石といったマイキャッスル内で使う特別なアイテムを入手できる。レベルアップ毎に入手できる数が増える。 どちらも何が入手できるかはランダムで決定される。そのデータで取れない物も他のマイキャッスルで入手可能。 錬成屋 同じ武器2種と武器に対応した鉱石を素材にして、武器を強化する。レベルアップする毎に錬成可能武器の上限が上がる。 強化した武器を更に強化することも出来るがその場合、同ランクの武器同士を用いて強化することになる(*18)。 他にも、任意の鉱石5個を別の鉱石1個に変換することができる。 店番をしているキャラによって特定の武器錬成に必要な鉱石を減らすことができる。 ルートによって錬成できるものが異なり、白夜武器、鉱石は白夜の錬成屋のみ、暗夜武器、鉱石は暗夜の錬成屋のみで取り扱い可能(透魔は制限なし)。 食堂 料理当番に食材を渡すことで料理を作ってもらえる。 料理を食べたキャラは食材に応じて次章での各種ステータスが上昇する。施設がレベルアップすることで2種類の食材を使えるようになり、全員に効果を与えることができるようになる。 増加の上限は+2まで。料理を複数作って食べても効果は重複しない。 店番によって料理の効果は大きく変わり、料理上手という設定のキャラなら能力が大きく上がる美味しい料理ができる確率が上がるが、逆に料理下手なキャラの作った失敗作だとだと能力がダウンしてしまうことすらある。 料理時や料理を食べた時の各キャラのリアクションは異なっており、一見の価値あり。 アクセサリー屋 ユニットの外見をデコレーションできるアクセサリーを購入できる。レベルアップする毎に品揃えが増える。 購入には食材と鉱石を使用する。キャラによっては割引価格で買える。 「頭」「顔」「腕(その他部位)」「身にまとうもの」の4つのカテゴリから身に着けるアクセサリーを選択可能で、装着したものはシナリオ内のイベントや戦闘中でも反映される。捕獲した敵ユニットにも漏れなく適用可能。 「身にまとうもの」のみ、(要は下着にあたる部分であるため)後述する温泉や先述した「服剥ぎ」時のみ外見が適用される。 基本的にシナリオ攻略には影響を及ぼさないが、後述するキャッスル戦やマイキャッスル内の施設の当番の選出に影響を及ぼすものも。 クジ引き屋 マイキャッスルが昼になる度に、一回クジを引くことができる。 はずれ(木)、当たり(銀)、大当たり(金)の3種類があり、何が出たかによってランダムでアイテムを入手できる。 白夜では白クジ、暗夜では黒クジを引くことができ、それぞれ入手できるアイテムが違う。また、レベルアップする毎に入手できるアイテムが増える。 透魔ではどちらかのクジを選んで引くことが出来る。どちらかを引いた時点でその日は再度引くことは出来ない。 魔符屋 「覚醒」にも登場したサポートユニット、魔符を購入できる。レベルアップする毎に強い魔符を買える。 汎用のモブキャラや名有りのユニットまで様々。ただし、『覚醒』のように他作品からのゲストキャラはいない。 購入した魔符はサポーター名鑑に登録される。本体に紐づくデータとして共有されているため、購入したユニットを他のセーブデータでスキル継承にのみ使う、といったことが可能。 闘技場 自分が持っている素材を賭けて戦うことが出来る施設。レベルアップする毎に連戦が可能になり、最大8個まで入手できるようになる。 闘うユニットは店番、及び店番と最も支援が高い相手。基本的に敵はこちらの強さに依存するので、弱くても強くても決して楽に勝てない。 旧シリーズのように金を賭けることはできないが、闘技場で負けたユニットが死亡する事が無いので気軽にプレイ可能になった。 牢屋 捕獲した敵ユニットを送るために必要な施設。レベルアップ毎に多く収容できるようになる。 敵ユニットは素材を消費してスカウトすることができるが、牢屋番のユニットが説得することで無料でスカウトすることも可能。 ただし、一度だけの説得では駄目な場合も多い。 ユニットの像 各ユニットの像。建てることでそのユニットの能力が上昇する。 伸びる能力は主にそのユニットの最も得意な能力である場合が多い。レベルアップすると支援相手、自軍全員にも効果が及ぶ。 リリスの神殿 守護竜リリスが住む神殿。マイキャッスル戦時に援護してもらえる。 食材を食べさせることによって能力を上昇させることが可能。レベルアップすると能力上限が上がる。 ルートによって装備が異なる。白夜編では杖で味方の体力を回復、暗夜編ならブレスで敵を攻撃する。 温泉 同性の仲間と一緒に温泉に入ることができる。ただし、入る際は3Dモデルは水着姿になる。 異性の仲間が入っているところに出くわすと追い出されてしまうため混浴はできない。ただし、結婚相手だった場合はそのまま入れる。 この施設を使うことによるゲーム的なメリットは特に無いおまけ要素だが、施設のレベルを上げることで仲間に加入するユニットが存在する。 資料館 今まで見た支援会話、ムービー、音楽を再生できる。 『覚醒』の時と同様、支援会話は今まで記録したプレイデータ「全て」に関して閲覧することができる。他のプレイデータに上書きされたデータでも有効なので、例えば増殖セーブと上書きセーブを繰り返すことで、1週プレイのみであっても主人公と複数の異性ユニットとの支援S会話を揃えることも可能。 戦闘マップで流れる音楽には「ユニットの移動時」の静かなバージョンと「ユニットの戦闘時」の激しいバージョンの2場面に対応したアレンジが存在している。聞いている曲を切り替える際この対応する2バージョン間を行き来すると(2バージョンの曲構成は全く同じでアレンジが違うだけなので)、曲が中断されずシームレスにアレンジだけが切り替わるようになっている。 その他 林(移動に制限がかかる)、回復床など様々。 中には何の効果も及ぼさないものもある。マイキャッスル戦時に障害物として使うか、マイキャッスルの見た目を変える以外に特別な効果は無い。 マイキャッスル内のイベントにはユニットにアクセサリーを付けられるものもあり、適切なものを与えることで主人公との支援レベルを上げることが可能。 ユニットによってはアクセサリーの好みの良し悪しがあったりなど、作りこみが細かい。また、特定のユニットに特定のアクセサリーを与えると特殊な反応を示すことも…。 ゲームクリア後には好きなユニットを「サポーター名鑑」に登録することができる。1度に5人まで。 名鑑に登録すると、以降そのユニットが覚えていたスキルを(有料で)現在プレイ中のデータ内の同名ユニットに継承することができるようになる。 これにより周回プレイ毎に好きなユニットに好きなスキルをどんどん覚えさせることができる他、特定のスキルを覚えるために最初から育て治す手間が省ける。 ただし、一部の特殊職のスキルは継承不可能。 名鑑には他にも絆ユニット(後述のマイキャッスル訪問で他プレイヤーと交流することで誕生するユニット)、ゲストユニット(amiibo読み取りによって出現する他シリーズのユニット)、これまでに捕獲した敵ユニットも登録できる。 3DSのすれちがい通信およびインターネット通信で他人のマイキャッスルを訪問することも可能。 基本的に各種施設を1日(リアルタイムの24時間)に1回だけ利用できる(*19)。「キャッスル戦」として相手が「マイチーム」を設定したチームと戦うことも可能。 キャッスル戦で勝利すると相手側の好きなユニットを魔符として1人仲間にすることができる(*20) 相手キャッスルでハンデ無しで勝つとボーナスとして、相手ユニットが修得しているスキルをサポーター名鑑よりも割安価格で継承することができる。 この通信戦では本編に関わらず強制的にカジュアルモードに固定され、さらに使用した杖や道具は消費されない(使っても対戦終了後に使用回数が回復する)。これによりクラシックでプレイしているプレイヤーも安心してプレイでき、フェニックスでプレイしているプレイヤーも力押しが不可能となっている。 相手キャッスルで戦う場合、勝利条件は敵の全滅または玉座の制圧となる。たとえユニットが最後の一人になっても玉座を取れば勝つことができるので、相手が強敵揃いでも戦略さえしっかり整えれば充分勝ちの目は出てくる。それが無理でもハンデ有り・能力制限有りで戦うこともできるので、ゲームの進行具合により極端な有利不利が発生するということもほぼ無い。 また訪れたプレイヤーの攻略の助けになるように、簡単に勝てるような設定(武器を一切持たず移動もしない等)にしている城も多い。この機能を使えば使えば暗夜編でも簡単に支援稼ぎが出来たり、バランスブレイカーな強ユニットをノーコストで仲間にすることもできる。 評価点 大幅に改善された戦闘バランスと高い戦略性 前作『覚醒』はステータスのインフレと単調なマップ構成により戦闘バランスがかなり大味になってしまい、戦略性に乏しいという点が批判されていた。それを受け今作では様々な戦闘バランスが大幅に調整されている。 ステータスは前作から全体的に引き下げられ、特にHPの成長率・上限値が低くなった。これにより、攻陣・スキル・デバフといった火力を高める要素が増えていることも含めて、強いユニットでも迂闊に敵に突っ込むと簡単に倒されてしまうことが多くなった。 従来のシリーズで非常に便利だった「手槍」「手斧」といった射程1~2の武器は「追撃不可、追撃されやすい、必殺が出ない」という大きなデメリットが付いて大幅に弱体化した。また、魔法武器も類似したデメリットが課され、魔法職のステータスも全体的に低く調整されている。 ただし手槍や手斧は使い物にならないレベルの弱体化ではなく、壁に持たせて削りに使うなどの用途には十分使える程度であり、バランスの取れた調整と言える。 これらの調整により、従来作でしばしば見られた「単騎特攻して反撃で無双」というゴリ押しはかなり通用しにくくなっている。攻陣やサポートスキルを活かすことを考えると味方同士で固まって進軍するのが有利なバランスになっており、様々なユニットを育てて運用する戦略が不可欠。 敵のAIも全体的に賢くなっており、「行動順を調節して積極的に攻陣を狙ってくる」「暗器によるステータス低下攻撃を先に仕掛けてくる」「一定数の集団単位で襲い掛かってくる」「自分がダメージを与えられないor命中0%の敵とは戦闘を行わない(*21)」など、安易な作戦が通用しづらくなっている。 特に暗夜ルートの難易度はかなり高く、暗夜編ルナティックは(システムや設定に大きく差異があるので一概には言えないが)『トラキア776』や『烈火の剣』ヘクトル編ハード、『新・紋章の謎』ルナティックと並んでシリーズ最難関レベルと評されることも多い。 前作からより洗練されたダブル 前作の覚醒ではただの確率要素でしかなかったデュアルアタック及びデュアルガードだが、ifでは攻陣と防陣という形で分離され、条件さえ満たせば必ず使用可能な確実要素へと変貌した。 攻陣はユニットを隣接して配置さえすれば常に発動し、前衛に命中+10%の補正と後衛のデュアルアタックによる追加攻撃が付加される。この効果が強力で、純粋に殲滅速度を大きく上げることができる他、弱いユニットでも攻陣さえ利用できれば敵を倒すことが容易になったり、命中が不安な時の補強手段としても活用できたりと活用の幅はかなり広い。 それに対し防陣はユニットを一纏めにする必要がある(*22)上、命中補強やデュアルアタックも無く、更に攻陣を利用できなくなるというデメリットがある。だが、その代わりに相手のデュアルアタックを確実に防ぐ効果があり、多くの敵が攻陣を組んで攻めてくる場合には受けるダメージを大幅に減らすことができる。他にも前衛のユニットのステータスが底上げされ、必殺回避も+5%されると、受けの面で大きく強化される。もちろん移動力の低いユニットを高いユニットで運ぶことも可能。 戦略的自由度に優れるスキル 今作では多様なスキルが実装されており、それらを使いこなすことであらゆる盤面を乗り越えることができる。 例えば、スキル「呪縛」はそのユニットに隣接している全ての敵ユニットの回避率を下げることができる。城門といった回避補正の高いマスにいるユニットに用いれば簡単に味方の命中率を底上げでき、場合によってはそのまま攻陣にも参加が可能。 特に周囲のユニットに影響を与えるタイプが優秀で、今作の売りである攻陣・防陣と合わせて即席でユニットの戦闘力を底上げできる。中には最終計算値から被ダメージや与ダメージを補正できるスキルもあり、プレイヤーの工夫次第でいくらでも誤魔化しが効く。 また、今作ではユニットごとに固有のスキルである個人スキルを所持しており、キャラクターの存在感をより際立てている。効果は強力なものから完全にネタに走っているもの(*23)まで様々。前述の範囲型の戦闘補助スキルを持つキャラも居るため、使いこなせればかなり強力。 工夫次第でいくらでも強くできるため、多くのユニットに利用価値が生まれていることも良い点である。個人スキルの存在もあり、所謂イラナイツは今作では存在しないと言っていい。 個性豊かなキャラクターたちと、それを彩る支援会話 登場する味方ユニットたちは前作以上にみな個性的。 白夜王国側は、シリーズ初の和風テイストとなっており、所属するキャラクターも全員が日本名。兵種も、巫女や侍など、純和風のものが採用されている。キャラの性格や描写は比較的アクが少ない真面目なタイプが多い。 一方暗夜王国側は、ソシアルナイトやアーマーナイトなどFEおなじみの兵種が採用されているが、かなり強烈な個性を持った変わり種のキャラが多いのが特徴。また閉塞的な世界観であるため、悲惨な過去を持っていたり、かつて悪行に身をやつしていたりという設定を持つ者もいる。 アクの強いキャラも、支援会話で過去の経歴や独特の性格(*24)になった理由がしっかり説明されていたりと、ストーリーに挿入しづらいサブエピソードを補完することに成功している。 マイキャッスルやそこにある施設で繰り広げられる会話も非常に多彩に用意されており、細かく作り込まれている。 例えば道具屋で買い物する際は、買い与えるキャラによってコメントが変わるのはもちろん、店番しているキャラに買い与えようとした場合は特別なセリフに変わる等。 メインキャラクターである、白夜・暗夜にそれぞれ存在する主人公の「きょうだい」たちやキーパーソンの歌姫アクアも、いずれも人気キャラとして受け入れられている。 デザイン・グラフィック キャラクターデザインは『覚醒』に引き続きコザキユースケ氏。前作で「奇抜過ぎる」と批判されがちだった鎧のデザインも比較的シンプルなものになった。(*25) また、本作初の和風キャラクターの外見も、ファイアーエムブレムという世界観に違和感なく溶け込んでいる。 前作からの続投である神風動画による3Dアニメーションも好評。視点を巧みに使ってシナリオの臨場感を存分に醸し出してくれる。 良質なBGM イベント、支援会話、マップなど、随所を彩るBGMは本作でも秀逸。『白夜王国』では和風の、『暗夜王国』では北欧風の楽曲が用いられており、聞く人を飽きさせない。 本作のテーマソングとなっている「if ~ひとり思う~」と、その関連曲であるラストステージのBGMである「すべての路の果てに」は特に名曲と名高い。前者はヒロインであるアクアの持ち歌とされており、本曲及びアレンジ曲がムービー、特定のマップ、そしてエンディングで流れ、シナリオにも密接にかかわっている。 歌唱パートを担当するのは本曲がデビューとなる蓮花氏。透き通るような歌声が特徴で、曲と相俟った高い評価を得ている。ただし『暗夜王国』で流れるバージョンはかなり異質で、シチュエーションも相まってネタ的な人気を見せている。 なお、本曲は「蒼炎の軌跡」で登場した『呪歌』に続くシリーズ史上二曲目の劇中歌となっているが、日本語かつシングルCDとして発売されたのは初めてのこと。 男女格差、キャラ格差の緩和 前述の通り、マイキャッスルでスキルを、マリッジプルフ・バディプルフで兵種を高い自由度で得ることが出来るようになっているため、今作では前作と比べてキャラ間の「超えられない壁」はかなり小さくなっている。 前作では必須スキルとも言えるほどの強力なスキルがあろうことか性別限定、キャラ限定であるなど、育成を突き詰めると兵種に恵まれないキャラは他のキャラの劣化とならざるを得ない仕様であったため、今作の「愛があればどんなキャラでも決してほかのキャラに見劣りしないくらいに強くできる」仕様は評価できる部分であると言える。 男女間のクラス格差自体が(DLC限定のものを除けば)撤廃されており、今までは男キャラしかいなかった「アクスファイター(戦士)」や、女キャラ限定職としてお馴染みの「ペガサスナイト」に相当する「天馬武者」も性別不問のクラスになっている(*26)。そのため、使おうと思えば全味方キャラが「キャラ固有クラス(*27)を除くどんなクラスにもなれる」ようになっている(*28)。 あらゆるプレイヤーを想定した難易度設定 難易度は「初心者、中級者向け」のノーマル、「上級者向け」のハード、「最難関を求める方向け」のルナティックの3種類を最初から選ぶことが可能。 さらにゲームモードには、従来作同様にユニットが倒されると以降使用不可(ロスト)になる「クラシック」、ユニットが倒されても次の章になれば使用可能になり、章中にフリーセーブ&ロードが可能な「カジュアル」に加えて、難易度ノーマル時のみユニットが倒されても次ターンにHP全回復で復活する「フェニックス」モードが新たに登場している。 フェニックスにすれば、殆どのマップではまずゲームオーバーになることが無くなる(*29)ため、どうしてもクリアできないマップで詰まっても次のマップに進むことが可能。特に経験値が自由に稼げない暗夜ルートで、初心者が「詰み」状態に陥ってしまうのを避けるための配慮だと思われる。 なお、フェニックスモードを選択することによるゲーム的なデメリットは存在しない。 また、「新紋章」「覚醒」ではモード問わず主人公、あるいはマイユニットが倒された時点でゲームオーバーとなっていたが、本作ではカジュアルモードなら主人公も他のユニットと同様に撤退するだけで済むため、全滅まで粘ることが可能。またフェニックスモードなら自ターンで復活する。 プレイ中に難易度を引き下げる(ルナティック→ハード→ノーマル/クラシック→カジュアル⇔フェニックス)ことも可能。ただし、逆に難易度を上げることはできず、一度下げたら戻すことはできない。例外的に、カジュアルとフェニックスの切り替えだけはいつでも相互に可能。 ちなみにクラシックからカジュアル(フェニックス)に難易度を下げた場合、これまでにロストしていたユニットは全員復活する。 このため、高難易度で始めて難しすぎると感じたら難易度を下げる、どうしてもクリアできないマップのみフェニックスにして普段はカジュアルでプレイ、といった柔軟な対応が可能になっている。 環境設定の充実 今作では戦闘時に敵のターンを丸ごとスキップできるようになっており、今までのように敵のターンを眺める事無くプレイできる(*30)。こういった戦闘時の設定がかなり充実しており、プレイヤーの好みで自由に変更が可能。 当然従来の作品で追加された内容も完備。武器選択の種類やマス目の有無、戦闘演出の切り替えといった機能もちゃんと備わっている。 攻撃範囲の表示機能も強化され、敵の杖の範囲までも表示させることができる。 面白いものとしてスキップの切り替えのショートカットがある。LかRボタンを押して戦闘を開始すると演出の有無が設定の逆になるというもので、気分によってその場で切り替えられるため利便性が高い。 回復や再行動の演出と戦闘の演出のスキップを別に設定することも可能。これにより予測数値の知りたい戦闘はスキップせずにテンポを良くできる。 増援の仕様が改善 前作までは、敵のターンに出現した増援がそのフェイズでいきなり動き出すという仕様であった。そのため、安全そうな場所に待機したところ、そこに現れた増援に袋叩きにされるという事態がしばしば見受けられた。 本作からは、出現した増援部隊が即座に行動することがなくなり、理不尽な増援の攻撃によって壊滅させられるという被害を被ることがなくなった。 問題点 ストーリー関連 外部から有名ライターを招聘するなど力を入れたはずの部分だが、ゲーム展開や3ルート分割等の都合からか全体的に不備や無理が目立つ内容になっており、本作に対する不満意見の中心となってしまっている。特にストーリーに細かい粗があるのではなく展開自体から破綻してると言われている暗夜・インビジブルキングダムに対しては非常に評価が低いことになっている。 ただし上記の通り今作のシナリオについて樹林氏が担当したのはあくまで原案止まりであり、それを実際にゲーム内に落とし込む過程では別の人物が担当している。 2015年11月18日に徳間書店より販売された『メイキング オブ ファイアーエムブレム 開発秘話で綴る25周年、覚醒そしてif』に掲載されたインタビューでは、白夜・暗夜編のシナリオを担当したISの小室菜美氏は樹林氏と一切やり取りしていなかった事が明らかになった。更に原案をシナリオに落とすに当たって章の入れ替えがあったこと、最終章に原案にないイベントを追加したなども明かされている。 以下詳細、格納部分にはいずれもネタバレを含む。 + 白夜王国編の問題点 「悪役である暗夜のガロン王を打ち倒して戦争を終結させる」という基本的に勧善懲悪な展開。そのためか、3ルートのなかでは別に展開が破綻してるわけではなく一部のシーンに疑問・問題がある程度で済んでいる。 スズカゼの永久離脱イベント 主人公との支援レベルがB以下の場合、スズカゼが主人公をヒノカに託し死亡して永久に使用不可になってしまうイベントが中盤にある。回避条件はゲーム内ではわからず特に前兆もないため、回避できなかった場合は当然それまでつぎ込んできた経験値やアイテムが水の泡となる。過去のシリーズでも、一度加入した自軍ユニットが条件を満たさないとイベントで永久離脱してしまう仕様はほぼ例を見ない。(*31) 死因も単なる事故死であり、主人公との支援がA以上だと自身の機転によりサクっと助かる。いわゆる初見殺し要素である。 終盤でエリーゼが死んでしまう展開 「対峙する主人公とマークスの戦いをやめさせようと2人の前にエリーゼが割って入ってくるのだが、丁度マークスが主人公に切りかかろうとしている所でありエリーゼを切り殺してしまう」という展開だが、事故だとは言え暗夜王国最強レベルの剣士である彼が懐から飛び込むエリーゼにどうして気付けなかったのか、とツッコまれるやや不自然なシーンになっている。 「ガロンの命令に忠実過ぎた」あるいは「ガムシャラに主人公との一騎打ちに専念したことで周りを見失った」等と推測すれば納得がいくが......。 支援会話内におけるカザハナの扱い 妹に当たるサクラの従者、カザハナは支援会話では露骨に主人公に対し殺意に等しい憎しみをぶつけてくる。憎んでいる理由は主人公がいなくなったことでサクラを悲しませたからというものだが、主人公が暗夜王国にいたのは幼い頃に誘拐されたからであり、被害者同然の相手に八つ当たりしているだけである(*32)。 ましてや主人公は今や白夜王国、ひいてはサクラ達のために戦っているので、このような八つ当たりを仕掛けるのは、それこそサクラを悲しませる行動に他ならない。支援会話を続ければある程度は和解するものの、かなり誰得な要素となっている。 + 暗夜王国編の問題点 メインのストーリーは「ガロン王が黒幕に取り憑かれてもはや人間ではないということを暗夜きょうだい達に示して一緒に戦ってもらうため、『座った者の真の姿を取り戻す』力のある『白夜の玉座』にガロンを座らせるために白夜王国を制圧(侵略)する」という細かい事を置いても妙に回りくどいもの。 そもそもガロン王と対峙する目的は戦争の阻止なのに、そのための手段が白夜王国との全面戦争では本末転倒である。もっと他に穏健な方法があるだろうと思わせてしまう展開で、批判が多い。後述するが、白夜王国に無関係な人物でさえかなりいい加減な理由で敵対する。 また主人公も、ガロンとその臣下を欺くために悪の道に落ちると言いながら、煮え切らない甘い態度を取ることも多く、言動が一貫していない。アクアを始めとした他のキャラに言われるがままに行動するだけだったりと、主体性の薄さも目立つ。 主人公が自発的に取る行動は「戦場で相対した敵を殺さず、密かに逃がす」という内容がほとんど。それ自体もかなり無理がある(*33)上、大局的に見ればガロンの思惑通りに行動していることに変わりはない。この展開はゲーム最終盤、実際に白夜王国の制圧が完了するまで続く。 ガロンは敵対する者は問答無用で殺すか抹殺を命じる人物であり、その場面を何度も目撃しているのに、終盤においてリョウマとの戦いに勝った後、ガロンがリョウマを殺せと命じた際には「そんな!」と戸惑いを見せるシーンがある。何を今更と思わざるを得ず、直前のヒノカ戦では「ガロンは敵将の命を救うことなど許すはずがない」と言っているので、その認識はあったはずなのにリョウマを生かすために逃げるよう伝えるなどの行動を一切しないのは一貫性がないにもほどがある。その結果「リョウマを死なせないで」というヒノカとの約束をもあっさり破ってしまった。 リョウマは武士道を体現した正々堂々としたキャラであるはずだが、エリーゼが病気であることに付け込んで薬との交換に主人公の身柄を要求したりとやや汚い交渉を持ち出したり、終盤にはヒノカを殺した(と誤解した)主人公に対して仇を討つと息巻いておきながら、一騎打ちで25(難易度ルナティックでは20)ターンもわざわざ待機してくれたり(*34)と設定と描写の齟齬がしばしば見られる。 タクミは元々主人公に猜疑心を抱いていたが、暗夜王国についてからは本気で主人公を殺しにかかってくる。これにはある裏があるのだが、少なからず暗夜王国を完全に差別視している。劇中でもレオンが、「暗夜王国と白夜王国、どっちが悪役なんだよ」と疑問を抱いている。 また、白夜王国に寝返った主人公に対して暗夜王族は甘い面があるのに対し、暗夜王国に寝返ったアクアに対して白夜王族は戦闘中に会話があるだけで、あまりにも素っ気なさすぎる。そもそもアクアが暗夜王国に寝返ったのも、白夜兵に処刑されそうになったからである(*35)。 白夜篇では味方だったニシキは、通りかかった一向に問答無用で襲い掛かるというかなり理不尽な人物と化している。同族が狩られているから里親として自衛しようというのが動機なのだが、黙って通り過ぎるのを待てば良いものをわざわざ自分から襲い掛かったせいで、結局自身を含む一族全員が死ぬという最悪の結末を招いてしまう(*36)。 + 透魔編の問題点 冒頭にて、主人公は白夜と暗夜どちらの陣営にもつけないと双方の大将の前で宣言するも、それでも戦いを始めようとするのを見て何とかやめさせようとするのだが、実際に戦闘を阻止するためにアクアが提示した方法は「両陣営の司令官をどちらも撃破して強引に自分たちに注意を惹かせる」というもの。 ゲーム的な都合と思われるがあまりに無茶な発想であり、実際にその後は案の定双方の陣営から敵扱いされ狙われる羽目になっている。 また前述の通り今作の主人公は甘すぎるといわれるぐらいに争いや交戦を嫌う性格であることが繰り返し描写されているため、のっけからキャラ描写がぶれてしまっている。 アクアはこの提案や暗夜編など、雰囲気に反してやたらと力ずくで物事を解決しようとすることから「脳筋軍師」とネタにされることも(*37)。 序盤でイザナは自分の命を使って神託を行い、つまるところ「五重の塔に向かって試練を受けろ」というお告げをして息絶えてしまうのだが、他の編では同じような行動をしても死なないのに対して透魔編でだけわざわざ死亡するストーリー上の理由が特に無い。 ちなみにこのステージでタクミがイザナと一緒に捕まっており、イザナの命を賭けた神託を信じる形で仲間に加わるが、(それがきっかけになったという流れなのだろうが)序盤の刺々しさが嘘のように大人しくなってしまっておりやや不自然な状態になっている。 さらに中盤にはクリムゾンがイベントで強制的に死亡する(スズカゼと違って回避する方法も無い)。第3のトゥルールートなのだから誰も死なせない大団円にしたかったという声も多い。 前半は白夜・暗夜両国の仲間を説得するために旅する展開になるが、両国から裏切り者と非難される中「理由は言えないけど協力してくれ」の一点張りで話が進むため、やはり強引さがついて回る(*38)。 同時に兄妹たちが仲間になる際も、一応どちらの国も敵対状態であるにもかかわらず「主人公は大事な家族の一人だから信じる(直訳)。」といった具合の者が多く不自然さが目立つ。 インビジブルキングダムに突入してからの後半も全体的に盛り上がりに欠け、描写不足が目立つ。 NPCとして登場するロンタオ(*39)という少年に関するエピソードが入るのだが、なぜか加入・裏切り・戦闘の展開に3章も無駄に費やしている。 そもそも必然的に見ることになるであろうアクアとの支援会話で「透魔王国に住民はいない」との発言があるので、一般人がいること自体が不自然なことにはすぐ気づけるはずである。 登場する伏線なども一切なく、ロンタオ離脱後もその後の会話で話題に出ることは無い。何のために登場させたかも不明瞭である。SRPGのユニットとしても、単なる魔物に変化させられて戦うことになっているため敵将としても何一つ印象に残らず余計に存在感がない。 リョウマは(不本意とはいえ)敵対することになった弟妹を戦闘会話なしで、さながら歴代シリーズの「馬鹿兄貴」ネタのごとく斬り捨ててしまう。なお同マップの敵であるマークスにはちゃんとカミラとの戦闘会話が存在している。 但し、どちらも主人公との戦闘会話は存在している他、戦闘終了後にリョウマは弟妹にちゃんと会話してくれる。 白夜、暗夜共に終盤のボスを務めたガロンは、終章でいきなり出てきてはラスボスに喰われてあっけなく退場するため、実際にボスとして立ちはだかることはなく盛り上がりに欠ける。少なからずロンタオの部分を削るなり、眷属の1人の連戦を減らすなり、出せる章は十分にあったはずである。 その後は主人公の家臣である老騎士ギュンターが黒幕の手によって透魔王として立ちはだかるのだが、その正体が露呈するのもギュンター本人が勝手にボロを出しただけというお粗末な展開。 ただ、ボロを出す直前の展開の不自然な点から、精神力とカムイへの愛で黒幕の支配に必死に抗ったギュンターは、自分が洗脳されている事に気づかせるためにわざとボロを出したとも推測されている。 + リリス関連の問題点 リリスは暗夜の厩舎係である少女だが、序盤で実は「星竜」という竜の一種であるという設定が明かされ、主人公をマイキャッスル他「星界」へ導く役回りとなる。 しかし序盤のマイキャッスル関連の展開を除くと、本筋にはほとんど絡むことが無く、影が薄い。支援会話などもないので補完もされず、全体的に投げっぱなし感が強い。 またマイキャッスルや子世代の「秘境」などの「星界」の設定は、ゲーム的に便利なシステムを実現させるためとは言え、何でもありの万能ご都合主義設定になってしまっており、シナリオのリアリティや緊張感を削ぐ一因になっている。 マイキャッスルでアイテムを貢ぐことでレベルを上げることができるのだが、本編で戦わせることが出来ないで有難みが薄く、影の薄さを際立たせている。 スキルを与えるためにわざと勝たせるマイキャッスルを作っても、NPCのリリスは攻撃しないよう設定することができないため、配置によってはやって来たプレイヤーを邪魔するだけの迷惑者にしかならなくなってしまう。 序盤以外ではほぼ出番がないにもかかわらず、白夜ルートと暗夜ルートでは終盤に突然イベントに登場して突然カムイをかばって殺されるという展開になるため、死亡のショックよりも唐突さの方が勝ることに。 特に暗夜編は「大量の魔物が出てくるマップを何とか超えたあたりで、突然後ろから生き残りの魔物が主人公にパンチしようとしたところでそれを庇って死亡」という展開で、白夜編の「凄腕のバーサーカーの一撃を庇って死亡」に比べるとなんともショボいものになってしまっている。しかも白夜編の場合、自分から攻め込んできておいて油断したカムイへの攻撃を庇うというあまりにも情けない展開になっている。 本編における出番を順に挙げると「序盤に一言だけ会話する→カムイを助けるため突如竜の姿になる→敵からの攻撃を庇って死ぬ」と、誇張抜きでたったこれだけである。もう人間の姿には戻れない、もう助かることはないと悲壮的なやり取りをされるが、リリス自体にそこまで愛着を湧くシーンが存在しないため、プレイヤーは唐突な展開に戸惑うしかない。 透魔篇ではある秘密により生存するが、だからと言ってこれと言った出番が与えられるわけでもなく、余計に影が薄くなっている。 また、彼女は実は主人公の実の妹だったことがDLCで明かされるが、あまりにも大きな設定のため「本編でやれ」と言われることも多い。 DLC前提のシナリオ 本作のストーリーは『白夜王国』『暗夜王国』のいずれか、あるいは2編だけでは明かされない要素(5章の謎の兵や重要キャラの設定など)が非常に多く、物語の全容を知るにはDLC『インビジブルキングダム』の購入が実質的に必須である。余談の項にあるように現在はプレイ不可能であるため、新たに確認するには設定資料集などを購入するしかない。 またルート追加以外の小型DLCでのみ明かされる要素や限定キャラ(支援も可能)も存在する(*40)ため、前作ほどではないがDLC関連の商法には依然賛否がある。 世界観・設定関係 前作に続き、各国の歴史、地理、文化、風土、政治体系、人民の生活、対外関係などといった基礎的な世界観の説明や描写が不十分。舞台となる大陸の名前すら出てこない。 炎・氷・風の部族や獣人族である妖狐・ガルーなど仲間ユニットの設定についても、支援会話で少し触れられる程度でおざなりになっている。 前作同様、章前ナレーションは存在せず、フリーマップ上で5行程度のあらすじを語るのみとなっている。 ワールドマップも国境すら図示されず、大雑把な地形に戦闘地域を白い点で表示するだけのもの。後日公開された公式バックグラウンドでも、イラスト付きの支援会話、壁紙、人気投票が置いてあるだけで世界設定等のフォローは一切されていない。 虹の賢者の言う名も無き騎士の正体や、隠しテキストのみで存在が語られている人物の行方など(*41)、DLC含めても結局謎に終わった謎も多い。 白夜王家の設定について + 白夜王家に関するネタバレ 支援会話などを進めると、主人公と白夜のきょうだい達及び先王スメラギとの間には、実は血のつながりがないことが明らかになる。 これにより「生まれた国か育った国か」というテーマが根本から崩れてしまっている。 主人公の実母の白夜女王ミコトは実は透魔王族の人間で、先王スメラギの正室イコナの後妻である。透魔王国からの亡命先の白夜王国にてスメラギに見初められ連れ子である主人公ともども白夜王家に迎えられた(*42)が、透魔王国の出自という点は呪いのせいで外に明かすことができないという設定。 つまり「素性不明の先王の愛人が(少なくとも外見的に)成人した直系の王族を差し置いて実権を握っている」というなんとも不自然な事態になっている。 またイコナという存在は隠しテキストのみの存在で本編中では一切触れられない。 主人公を白夜のきょうだいたちと近親婚にせずに結婚させるための蛇足な設定と批判されることが多い。 この真実を知っているのはリョウマだけであるが、知っていてなお白夜にカムイを引き込む様は、半ば騙しているように見受けられてしまう。 少なからずリョウマはカムイをきょうだいとして見ており、その自覚も強い。カムイを取り戻すために一生懸命であるため、意図的に騙している訳ではない。 子世代関連 本作も『聖戦』『覚醒』同様に子世代のユニットが登場するのだが、その2作と違い、設定・シナリオにおいて導入する必要性のフォローがほぼ無い。(*43) さらに「時間の流れが違う星界に預けているうちに、戦えるまでに成長している」という強引で都合の良い設定は、リアリティだけでなく親の道義的な観点から見ても抵抗を感じるという声も。 子世代が「何年もほったらかしで寂しかった」と訴え、親が「戦火を避けるために星界に預けた」と答える親子が何組もおり、やはり設定の強引さが目立つ。 主人公を男性にした場合に主人公を親世代のユニット(主人公のみ支援が可能な者を除く)と結婚させると、子世代ユニットを全員揃えることができなくなってしまう。 これは本作での子世代は母親ではなく父親依存になっていること(これ自体は単なる変更点なのだが)と、男性ユニット・女性ユニットの割合が(共通・ルート限定ユニット含めて)主人公を除いて調度半々になっているために起きた。 『覚醒』でも似たような問題はあったが、あちらの場合はある程度までなら修正が効くのに対し、今作は上記の条件を満たすと確定で子世代ユニットを揃えることができなくなってしまう。 「死にバディ」の存在 同性の支援相手は支援をA+まで上げることにより、バディプルフによって相手のクラスになれるようになる…のだが、この時、兵種被りを全く考慮されていない(*44)ため、せっかくバディプルフが使えるようになったのに兵種には全く影響しない「死にバディ」が結構目立つ。 特に一部のキャラは特定ルート以外では同性の支援相手全てが「死にバディ」となってしまい、バディプルフがそのキャラにとっては何の意味も無いアイテムと化してしまう事も。 これと同じことが「マリッジプルフ」でも当然起きてしまうのだが(*45)、こっちは「子供に両親ともに素質を持っていない兵種を与える」「子供に両親の全兵種を与えられる」などのメリットが存在する。 支援会話 前作と同様、本作も主人公、およびその子供以外と支援できないキャラクターが多く存在する。 中でも、クリムゾンが、相棒的ポジションであるリョウマと支援ができない点は大きく批判されている。また、フローラやフウガなど、主人公とその子供以外に一人だけ支援が可能なキャラがいるが、同性同士の支援であるため結婚に至れない。 前作に続き、支援S会話の流れが唐突。特に恋愛的な描写がなかったにもかかわらず、男性陣からのプロポーズに対し女性陣が「実は私も好きだった」と返すだけのテンプレ展開が多い。 一部UIの不備 自軍ユニットを動かす際の行動の優先順位の調整が甘く、ミスを誘発しやすい。最もプレイに弊害が出るのが防陣のショートカットで、ユニットを選択中に別のユニットにカーソルを重ねると大抵は防陣を組めるのだが、アクアや杖使いで同じ操作をした場合、防陣を組まず回復や再行動を優先してしまう。これは、前述のショートカットが回復・歌う 防陣という優先順位になっていることが原因である。 実際打たれ弱い回復役を主力ユニットの後衛に入れようとして間違って回復してしまい、敵ターンで殺されるというミスを経験したプレイヤーは多い。 『覚醒』が下地になっているので全体的には高品質だが、新規要素に関しては行き届かない点も見られる。 従来はワンボタンでできたアイテムやスキルに関するヘルプの参照がタッチが必須となってしまっている。後述の通り、スキルや武器の効果を確認する機会はゲームをやればやるほど多くなるため、煩わしさが目立つようになる。 武器の特性が複雑化したが、従来同様限られた文字数で説明しているため説明不足が目立つ。 「必殺なし」(必殺だけでなく、奥義も出ない)、「他には弱い」(特効対象以外に対して武器攻撃力-4、命中-10扱い)、「必殺時、特に大ダメージ」(必殺時のダメージ倍率が3倍→4倍)など。他には「戦闘後能力減」の内訳が完全に省略されている武器があったり、余さず記述するとかなりの文字数を要するであろう暗器・手裏剣は特に省略が多い。 「敵能力減少」の効果があるものは所持している際に画面をタッチすることで詳細が明らかになるものが多い。 前作『覚醒』と異なり、ステータス画面で被特効属性を確認できなくなった。 その代わりとしてか、自ターン時に操作ユニットの特効武器を持った敵に!マークが付く仕様(*46)が追加されたため単純な劣化とは言い難いが、ゴーレム(*47)のように、初見では何が弱点なのか把握できないケースも。 一部ルートにおける特定ユニットの加入レベル 透魔編において、加入時のレベルが他の2ルートと共通になっている都合上、本来のシナリオ進行具合にそぐわないレベル(ステータス)で加入するユニットがいる。 低すぎる例で言えば透魔編のニュクス(*48)、高すぎる例で言えば同じく透魔編のアシュラ(*49)など。 一方でちゃんと初期値が調整されているキャラ(*50)も居るため、これらのキャラに関しては調整不足が否めない。 マイキャッスル関連 マイキャッスルに設置できる建物は、50個が限度。十分多いように思われがちだが、今作でキャラの能力上限を上げるには「○○の像(*51)」という建物を設置しなければならず、更にこの像の総数はインビジブルキングダムでは軽く60個を超えてしまい、どうやっても最強にすることが出来ない(*52)。 更に、武器屋、道具屋などの必須施設、資料館、クジ引き屋などの有用な施設の配置で必然的に配置枠を食うので足りない上限をさらに減らすこととなってしまう。 そのため、本編キャラは能力的にどうやっても「魔符(*53)」に見劣りしてしまうようになり、使う意義すらなくなってしまう(*54)。 同じプレイヤーと何度も絆ユニットを生成していると稀に顔グラフィックがローブ姿(*55)、3Dモデルの顔が黒いのっぺらぼうの絆ユニットが生成される。 また、これに該当するユニットがアクセサリー屋で着せ替えするとフリーズするという報告がネットで上がっている。 運命の分岐点の問題点 あるデータで6章に到達した後に新しく運命の分岐点でデータを作った場合、一番最後に到達したデータを参照するようになっているため、カムイの性別を変えると6章で加入する臣下が一切成長していない状態となってしまう。特に透魔編における影響が大きく、6章と7章では味方が全員で3人しかいないため攻略難度が上がってしまう。 また、上述の様なケースでは親世代の魔符フラグを前のデータと共通で使ってしまっており、魔符屋で親世代の魔符を作った後、分岐点データ(最初のデータとは別物)で新しく同じキャラの魔符を登録した場合、別のデータのキャラなのに同じキャラとして処理され、別のキャラ扱いされずに後から登録した方にデータが勝手に書き換えられてしまう。 そのため、カムイの性別を変えてかつ成長した臣下を使いたい場合や、親世代の同じキャラの魔符をたくさん揃えたい場合はその都度最初からやり直す必要がある。 子世代はこの仕様の対象外なので、結婚前のデータをコピーして迎えに行き、魔符屋で買うだけで量産可能である。 錬成武器関連 同じ武器を2つ集めて錬成する…と言う事で、最大まで錬成するためには128個の同じ武器が必要となる。酔狂なやり込みの領域ではあるが、店で購入できる個数が限られている在庫限定アイテムでこれを実行しようとすると非常に大変。 在庫限定アイテムは一つのデータでは4つ程度しか手に入らず、更にそれらのうち武器は遭遇戦では絶対に手に入らない仕様となっている。さらに他人のマイキャッスルで購入することもできない。 そのため有料DLCマップで低確率でドロップアイテムとして出現するのを待つか、クジ引き屋で低確率の当たりを引いて手に入れるという運だよりの方法を取るしかない。 もっとも錬成武器など利用せずともクリアは可能であるが。 透魔編の戦闘マップ インビジブルキングダムの戦闘マップは変則的なマップギミックが多いという触れ込みだが、実際のところは氷壁を少しずつ壊しながら進撃する(*56)、進める場所を確保する効果しかない竜脈を多用するステージなど、あまり戦略性に寄与していない面倒なだけのギミックが多い。 透魔王国に到達してからはこの面倒さに拍車がかかる。ボスの元へ辿り着くために8つ全ての竜脈を発動する必要がある、1ターンごとに動く狭い足場に乗って進むなど。結果的に無駄に時間のかかるステージばかりである。 赤い床で敵が上級職に強化され、青い床で下級職に弱化されるという変わったマップもあるが、難易度にもよるがこの強弱が大して戦闘に影響をもたらしていない(*57)。大きく影響をもたらす事象はメイドがロッドナイトになり暗器が使えなくなることぐらい。 また、マップがだだっ広いのに対し、遭遇戦で戦える敵は妙に遠くに配置されていることも多く、経験値稼ぎの際にも多少の面倒を強いられることになる。 そもそも変則的なギミックとしては暗夜王国で戦略面に大きく寄与しつつやりごたえのあるマップが沢山ある。そのため、難易度が低いだけで爽快感もない、いわばSRPGとしては暗夜王国の完全劣化としか言いようがない状態となっている。ちなみにストーリーも前述で語られているように非常に評価が低いため、満を持して出したDLCの3ルート目が一番評価が悪いという事態になっている。 セーブデータ関連 いずれのルートも、終章の出撃前にセーブができない。そのため、終章でリセット、ないしゲームオーバーになった場合、その前の章からやり直す必要がある。 賛否両論点 一部の武器が使いにくい よく使いにくいと取りざたされるのは、高性能だが「戦闘終了後にステータスが下降(力・技-2)」というデメリットがある(従来では高価かつ武器耐久度の低さが弱点であった)「銀の○○」。 一見説明文に書かれたデメリットだけ見れば妥当に見えるが、このステータスダウンは重複し、かつ自然回復は1ターン1点に限られるため、装備させたまま敵と連戦させてしまうと瞬く間に目も当てられないステータスにまで下がってしまうため「呪いの武器」と揶揄されることも。必殺回避に-5という補正がかかる点も地味に辛く、そのうえ高価な点は従来同様。 ただし、逆に言えば敵ターンで戦闘にならないような局面では見た目通りのデメリットであり、攻陣のデュアルアタックの際に使えばデメリットがかからないなど、使い方次第で有用性は発揮できる。「コスパは悪いが万能」という従来のイメージと大きく異なる(「使用回数を抑えなければならない」という意味で取ればそのままだが)故に取り沙汰されている部分もある。 逆に強力といえるのが暗器・手裏剣で、標準で1-2射程で高命中、かつデバフ効果もあるためかなり高性能。手裏剣に至っては装備中速さが2も上がるため強さに拍車がかかっている。 唯一とも言える欠点として基礎威力の低さがあるためぶっ壊れという訳ではない。もちろん強いことに間違いはないが、味方の武器を手裏剣に統一してヌルゲー、なんてことはさすがにない(*58)。 キャラクター関連 キャラクターの個性は前作以上に強烈になっており、ちゃんとした真面目なキャラクターも一定数いるが、過剰なまでのアクの強さやファンタジーらしからぬメタ的な笑いを取るようなキャラクターも多く、良くも悪くもプレイヤーの好みが分かれやすい部分にもなっている。 前述のとおり、主人公が城塞に軟禁されて育った世間知らずなうえに戦争をしている両国とも思い入れがあるという設定のせいもあり、優柔不断だったり非情な判断をできないという描写が多く見られる(*59)。 キャラクターとしての一貫性はあるが、主人公でありプレイヤーの分身としては目につく部分となってしまう。この関係からか、本作の主人公の性別は女性の方がしっくりくるというプレイヤーも多い。 本作には『覚醒』のキャラクターに容姿・性格共に酷似したキャラクターが複数人登場する。子世代の3人そっくりの人物が親世代に3人(*60)、逆が3人(*61)で合計6人。 彼らは全て『覚醒』の人気投票において上位に収まったキャラクターである。「人気があるキャラを重用する」というのは合理的な判断ではあり、それだけに一定の支持は得られているのだが、『覚醒』とはストーリー的な繋がりはない(*62)本作に人気キャラだけ選んで少なくない人数を登場させるというあからさまな手法は、違和感を持たれても致し方ないだろう。 マイルームでの「おさわり機能」 マイキャッスル内のマイルームにおいて、「招待する」という機能を使うと、3DSのタッチスクリーンを用いて仲間の各ユニットを撫でることができるシステムがある。 相手は老若男女を問わず、主人公や相手が既婚であっても自由に触れ合うことができる。グラフィックはLive2Dによる専用のもので、ここでしか聴けないボイス付きのセリフが豊富に用意されていたり、支援レベルによって反応が変化するなど中々作り込まれている。 なお、このシステムは『ポケットモンスター X・Y』の「ポケパルレ(*63)」システムに似ているため、「ifパルレ(イフパルレ)」という俗称で呼ばれることが多い。 しかし、タッチするとハートマークのエフェクトが出たり、キャラが頬を染めたりと、前作にも増してギャルゲー・乙女ゲーチックな雰囲気の要素でもあり、人によって大きく好みが分かれる。 もっともこの要素をこなすゲーム的なメリットは「主人公と該当キャラの支援ポイントが少し上昇する」「極一部のアクセサリーが購入可能になる」ことのみ。前者は遭遇戦や通信戦で代替する方が遥かに効率が良く、後者はシナリオ攻略には一切関与しないため、気に入らなければ完全に無視しても特に問題ない。 このシステムに対しては性的な意識を持つプレイヤーも多い。特に支援S後のセリフには露骨に性的な含みを持つものが多数存在する。 このため、特に性描写に関してデリケートな北米版では任天堂アメリカ支社の判断でタッチ機能が削除され、単に仲間と対面で会話するという形式に切り替えられた(*64)。 捕獲の仕様 捕獲コマンドは仕様上『別ルートの味方キャラ』『獣人』『謎の兵』『幻影兵』『一部を除いたDLCの敵』『魔物・絡繰人形』には使用できないと制限がきついため、白夜及び透魔(特に透魔)では大して有用なキャラを加えることが出来ない。 というのも、白夜と透魔の雑魚敵はその大部分がスキル無し(透魔ルナは下級職のスキルだけ)であるうえ、仮にこれらを捕獲したとしても遭遇戦の雑魚を捕まえて鍛えたら最終的に全く同じスキル、能力に行きついてしまうからである。 おまけに透魔では中盤以降本編の敵が捕獲できない透魔兵で統一されてしまうため、捕獲コマンド自体が死にスキルと化してしまうおまけつきである。 なお、白夜では捕獲できない獣人、魔物や説得不可能な敵に限って妙にスキルが詰め込まれていたり極端な能力と化しているため、白夜限定の有用な敵を(とあるボス以外)敢えて用意しなかった(捕獲要員が居なくても後悔しないようにするための)可能性もある。 一方で暗夜ルナでは中盤以降これでもかと強力なスキル持ちの敵が手に入るため、非常に有用なコマンドとなっており、暗夜ルナ挑戦の一種のクリア報酬となっている。 報酬付きDLCの難易度 暗夜と白夜(+透魔)の格差の事を考えてなのか報酬付きのDLCのほぼ全てが「本編データと関係のない固定性能のキャラを使って攻略する」いわゆる詰将棋となっており、前作のDLCのように強力なキャラを使ったごり押しができない。 これ自体は低難易度の作業ゲームにならないようにする調整なので悪くないのだが、問題はそんなDLCに限って「スキルの書」「特定兵種のクラスチェンジアイテム」が報酬として設定されている(何十回もプレイする可能性がある)事。 これに加えて仲間キャラの数自体が前作よりもかなり増えているため、全員にDLC関連のスキルを覚えさせようとした場合の労力は前作とは比較にならない(*65)。 一応これらのDLCでもフェニックスモードが効くので大体は苦手なプレイヤーでもごり押しで報酬を得られるのだが、とあるDLCだけは「フェニックスモードが効かない」仕様まである。 また、自軍を使えるDLCでもシナリオが進む(セーブデータの章数が進む)につれて敵が強化されていき、手ごたえはあるのだが本来の用途(金策、経験値稼ぎ、アイテム入手)で見た場合は使い勝手がどんどん悪くなる。相当な準備をしないと雑なプレイやおまかせ前提で出来ないため、前作の似たようなDLCと比べると使い勝手は悪い。 タチが悪い事に、錬成武器のために何百、何千回もの攻略を要求されるアイテムのDLCは全敵が暗夜AI持ちで強力なユニットによる無双地雷を妨害する、育成のために用意されているはずの経験値のDLCはスキル『凍結(*66)』持ちゴーレムの増援によって進軍阻止やハメ(*67)を狙ってくる…と前作の経験値稼ぎ用DLCで評価が芳しくなかった『マミーの楽園』がまだマシに思える嫌がらせのような設定になっている。 ただ、これらの稼ぎ用DLCはあくまでおまけ要素であるため、普通に攻略する上では全く必要ない。難易度の高さも周回をしないのであれば問題にならない。(*68) 総評 前作『覚醒』は育成重視のバランスゆえ戦闘バランスの大味さが特にSRPGとしての戦略性を求める層から批判されていたが、本作はそれを受けて多くのシステムを一新したことで高い戦略性が復活。 安易な単騎無双を許さない練られたバランスとマップのクオリティは、「手ごわいシミュレーション」の名に恥じない出来になっている。 特に暗夜王国編の調整は秀逸で、緻密なリソース管理やユニット配置の工夫、後の章攻略を想定した育成計画など、何周でも飽きない楽しさ・奥の深さがあり、シミュレーションの部分では歴代最高クラスの出来と言っても過言ではないだろう。 またルートによってストーリーだけでなく難易度やゲーム性自体が大きく変貌するという試みも意欲的。 自由に経験値稼ぎが可能な『白夜王国』と、リソースが限られ難易度も高い『暗夜王国』ではっきりと対象ユーザーを分けたことで、「ライト層の取り込み」と「コア層の満足」の両立という難題に一つの答えを示した。 しかしゲーム部分の完成度は高い一方で、ストーリー部分については不満の声が少なくなく、描写不足や強引な展開などが作品全体としての評価を下げてしまっている。 またマイルームの「おさわり機能」に代表されるカジュアルな要素や雰囲気も、プレイヤーの層によって賛否が分かれる一因になっている。 余談 本作は前作の覚醒以上のセールスを記録しており、2021年12月の記録で世界累計300万本以上の売上を記録している。 参照元 国内でも50万本以上を記録しており、覚醒から渡された新作FEシリーズのバトンを見事に繋いだと言えるだろう。 本作では「白夜王国」に登場するある女性キャラと、「暗夜王国」に登場するある男性キャラとの間に、同性である主人公とも支援Sが成立する。つまり同性同士での結婚が可能。これは『FE』シリーズはもとより任天堂の公式ゲーム全体で見ても初であり、任天堂は「地域社会における多様性の反映」のためという公式見解を出している。 これは以前同社が発売した『トモダチコレクション』でシステム上同性同士の結婚が出来ないことについて、特に欧米の一部ユーザーから抗議の声が起こったことも影響していると言われる。 ただしFEシリーズでは過去に異父兄妹が子をなすという倫理的に真っ黒な展開(*69)を見せたこともあるので「同性婚ぐらい何を今更…」と動じない歴戦のファンも。特にBL・GL好きのファンからは、肯定的に捉えられている。 どちらのキャラも他のキャラとの普通の結婚も可能。あくまで「同性婚できる」だけなので、最終的にどうするかはプレイヤー次第。 なお同性婚を行った場合、(当たり前と言えば当たり前なのだが)対応する子世代は本編には登場しなくなる。 前述のように異性との結婚時にも「主人公を男性にした場合、進め方で子世代で登場しないユニット発生」もあったので、そういう組み合わせがあった場合は「養子を取った」とかにしておけば無難だったかもしれない。 初報のプロモーションビデオでは、刀やサムライなどの白夜王国の要素がまず展開された、過去作にも倭刀のような武器や、ソンシンのような和風国家は存在しているが、本格的な和風要素を押し出していたため、シリーズファンの度肝を抜いた。 発売前日の2015年6月24日に本作の『社長が訊く』が掲載された。 取材の中で『覚醒』のシナリオに対する評価についてやDLCを含めた3本を同時に作ることになった経緯といった様々なことが語られている。 だがこの同年7月11日に岩田聡社長が逝去したため、これが岩田社長にとって最後の『社長が訊く』となった。 『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』において、主人公のカムイ(マイユニット)がDLCファイターとして追加参戦した。 参戦PVは、本編の「運命の分岐点」を忠実に再現した場面で3つのルートいずれにも進まず、「大乱闘に参戦する」という4つ目の選択肢に突入するというもの。 『覚醒』のルフレと同様、カラーチェンジで男性・女性の外見を切り替えることが可能。これを受けてPVではサクラが「兄様が姉様になってしまわれました!」という名言(迷言?)を放っている。 参戦時点では、本作は海外では発売前となっており、『大乱闘スマッシュブラザーズDX』におけるロイと同様、販促を兼ねた先行登場という形になった。 後に配信された無料DLCシナリオ「覚醒との邂逅」において、『覚醒』の世界では『白夜王国と暗夜王国は神話に出てくる国』という設定が明かされた。 また『覚醒』の世界のキャラクターと酷似している特定の子世代と主人公の支援会話からすると、『if』の世界は『覚醒』の世界の遠い過去である(≒『if』は『紋章の謎』と『覚醒』の間に当たる)模様。 ギュンターを担当した声優の納谷六朗氏が発売前に逝去、本作が遺作となった。 本作のコミカライズ版が『月刊ヤングマガジン』で原作に樹林氏、作画に本作のキャラクターデザインを担当しているコザキ氏を据えて(*70)連載されることが発表されていた……のだがその後音沙汰はなく立ち消えになってしまった模様。 その後、一迅社の『コミックZERO-SUM』2017年1月28日発売号より『ファイアーエムブレムif ニーベルングの宝冠』(作者:遊行寺たま)として別のコミカライズが連載開始されている。 シナリオ担当の小室氏は今作発売から1年後、個人のTwitterアカウントでTCG『サイファ』関連でのいわゆる「部署間対立」を匂わせる投稿などの問題が発覚。内面が露わになった際は今作の評価をさらに下げさせた要因としてFE界隈ではかなり嫌悪する声も挙がっている。 この問題についてISは公に言及することはなかったものの、その後に同社作品『メイド イン ワリオ ゴージャス』のスタッフロールには小室氏の名前が確認されており、『Echoes』『風花雪月』は関与してない点からおそらく一時的な人事異動の処罰は下っていたと見られる。 最新作『エンゲージ』でシナリオディレクターとして復帰した。 amiiboとサイファの魔符の差異 今作品では7キャラクターが登場。該当キャラクターはマルス、サイファマルス、ルキナ、サイファルキナ、アイク、ルフレ、(サイファ)ペガサスナイトミネルバ。しかし、amiiboの方は声優・緑川光氏、小林ゆう氏、萩道彦氏他のボイス付き、専用武器他と充実しているが、サイファの方はボイスが無い、専用武器が無い他という仕様である。一番頭を捻るのは、3人の声優がamiibo限定出演。ミネルバは正規の方法ではサイファのブースターパックの約6,000円の箱買いでないと入手出来ない。 味方ユニットの一人にリンカというキャラがいる。炎の部族の族長の娘という設定で、体力や力に秀でるとされている(*71)が、実際にはHPの成長率は20%しかなく、力も低水準でありキャラ設定と矛盾するような成長率となっている(*72)。この理由として最も有力な説に、別の味方ユニットであるカゲロウと成長率が入れ替わっているというものがある。カゲロウの成長率は特に高い力成長率を誇っている反面技や守備が低いと、リンカの設定と合致しており、更に特筆すべきはリンカとカゲロウの支援会話において「力のリンカ、技のカゲロウ」というセリフがあることだろう。未だ真相は定かではないが、小ネタの1つとして知っておくと面白いだろう。 さらに余談だが、炎の部族という名称だが別に炎を操る能力などは持っていない。それだけなら別におかしくはないのだが、 氷の部族は冷気を操る能力を持っており、そのうえ炎を扱った印象的なシーンがあった ため、ネタにされることに。 なお、『ファイアーエムブレムヒーローズ』ではしばらく後に登場することとなったが、設定通りのステータスになっている。 なぜ最初からしなかった。